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23日、三条市名誉市民小林ハルさん追悼展が開幕、最後の越後瞽女の偉業をしのぶ (2005.11.23)
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三条市名誉市民小林ハルさん追悼展が23日、三条市体育文化センターで幕開きした。会期は26日までの4日間で、ことし4月に105歳で亡くなった小林さんの写真パネルの展示やビデオ上映を行い、最後の越後瞽女(ごぜ)として自らの障害を克服し、芸に打ち込んできた在りし日の小林さんの偉業をしのんでいる。
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26日まで三条市体育文化センターで開かれている三条市名誉市民小林ハルさん追悼展
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小林さんは明治33年1月24日、旭村三貫地(今の三条市三貫地)生まれ。4歳で瞽女に弟子入りし、県内や山形、福島など各地を回った。
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会場に展示している小林ハルさんの遺影
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翌53年に文化庁から「記録作成等の措置を講ずべき無形文化財の選択」の認定を受け、翌54年には黄綬褒章を受章。平成13年に3人目の三条市名誉市民になった。ことし4月25日に昭和52年に入所した胎内市・養護盲老人ホーム「胎内やすらぎの家」で、老衰で亡くなった。
それから半年余りたち、小林さんを追悼し、顕彰しようと三条市主催で追悼展を開いているもので、昭和35年の出湯近郷の門付け、昭和57年の36年ぶりに里帰りした如法寺で唄う小林さんの姿や瞽女の写真パネル、小林さんの手形など40点と愛用の三味線、無形文化財選択書、黄綬褒章の記と褒章、三条市名誉市民の証などを展示する。
あわせて新潟放送制作の30分のビデオ『よみがえれ瞽女唄 最後の瞽女 小林ハルさんの一生』を上映している。
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昭和57年、36年ぶりに里帰りした如法寺で瞽女唄を披露する小林ハルさんの写真パネル
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初日23日は午前10時から開場式を行い、来賓や市民など約100人が列席。全員で黙とうを捧げ、高橋一夫三条市長は、訃報(ふほう)に接して「大変、残念に思った」と振り返り、「あらためて小林ハルさんの偉業をたたえ、三条市名誉市民として永遠にその崇敬を継承するものと誓う」とあいさつした。
テープカットでは、小林さんの実家の小林アキ子さん、胎内やすらぎの家を運営する社会福祉法人愛光会の高沢正樹理事長、高橋市長、久住久俊市議会議長の4人の紅白のテープにはさみを入れた。
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テープカット、左から高沢社会福祉法人愛光会理事長、小林さんの実家の小林アキ子さん、高橋市長、久住市議会議長
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来場者はさっそく写真パネルなど展示品をじっくりとながめたり、上映されたビデオを鑑賞。会場内にはビデオ作品から聞こえる力強い小林さんの歌声が響いていた。
午前9時から午後6時まで、最終日26日は午後4時まで開いている。入場無料。また、26日は午前11時から越後瞽女唄・葛の葉会が小林さんから伝承された瞽女唄を披露する。
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