|
三条市主催第3回ものづくりのまちシンポジウムでブランディングについて考える (2010.11.26)
|
|
|

|
三条市は26日午後2時からリサーチコアで第3回ものづくりのまちシンポジウムを開き、約70人が参加してブランドを構築するブランディングをテーマに基調講演、続いてパネルディスカッションを行った。
 |
26日開かれた第3回ものづくりのまちシンポジウム
|
麻雑貨の企画から小売などを行う奈良の老舗、中川政七(なかがわまさしち)商店代表取締役の中川淳さんが、「中川政七商店に学ぶ中小企業のブランディング戦略」をテーマに基調講演のあと、「ものづくりからブランディングへの脱却」のテーマでパネルディスカッションを行った。
パネルディスカッションは、パネリストに基調講演の中川さんと越後三条鍛冶まつり実行委員会の相田合同工場社長の相田聡さん、コーディネーターに(株)エイトブランディングデザイン代表のブランディングデザイナー西沢明洋さん、後半は国定勇人三条市長もパネリストに加わった。
 |
エイトブランディングデザイン代表のブランディングデザイナー西沢さん
|
 |
中川政七商店代表取締役の中川さん
|
 |
相田合同工場社長の相田さん
|
 |
国定三条市長
|
相田さんから一昨年の越後三条鍛冶まつりでの産地間連携を行ったのをきっかけに昨年、製品安全について初めてシンポジウムを開いた経緯について話し、前半は相田さんが社長を務める鍬を製造販売する相田合同工場をコンサルティングするような内容になった。
相田合同工場は8日発表された経済産業省主催製品安全対策優良企業表彰で中小企業を対象にした製造事業者・輸入事業者部門の経済産業大臣賞に決まった。受賞を目指した理由について相田さんは、対外的にアピールする一方、「いちばんは職人に変わってほしかった」。自身が職人ということにコンプレックスがあり、職人とのコミュニケーションに難しさがあり、外側からほめてもらうことで職人の変化に期待した。
中川さんは「(相田さんの)今の話は示唆が深い。まさにインナーブランディング」、「ちゃんとやれてるということを社内に浸透させること」と高く評価した。
相田合同工場の鍬の需要は、半数をホビー用途が占めていることもあり、相田さんはゴルフクラブのように複数の鍬を使い分けるような構想を話せば、西沢さんは「鍬マイスター」、「鍬と言えば相田」といったポジションを取りにいくことが大切とし、その手法として中川さんは、テレビ番組『タモリ倶楽部』への出演を目標にし、出演のためには売れなくてもいいから本を出すことなどを提案した。
国定市長がパネリストに加わると、国定市長は三条市と燕市で取り組む燕三条ブランドを取り上げ、「外の人が“燕三条”と言われるんだったら、それでいいじゃん」と、あえて対外的なPRに市を区分けする必要はないとの考えを示し、中川さんも「(三条市と燕市で)2つのブランドを積み上げるより燕三条で積み上げた方が絶対、速い」と同意した。
西沢さんは地域ブランドを前面に出さず、小さなユニットをたくさんつくって結果的にそれらが燕三条の地域であることが認知されるという考え方も提案。さらに「地域の一番星をつくることが大切」で、それができれば「2番手、3番手がほっといても出てくる」し、「一番星をつくるのはブランディングの視点から見ればそれほど難しいことではない」。
国定市長からも、地域ブランドのステージのアップのために行政が果たす役割を問いかけ、地元の実情を踏まえたさまざまな意見やアイデアが飛び出していた。
関連リンク
|