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3月6日まで越後出雲崎「天領の里」で第13回天神さま展示会、遠くは県外も含む菅原道真の軸や像が並ぶ (2011.2.18)
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出雲崎町尼瀬、越後出雲崎「天領の里」(三輪正館長)は、3月6日まで第13回天神さま展示会を開いており、学問の神さまとして知られる菅原道真にちなんで商売繁盛や一年の健康を願う天神講にあわせて道真を描いた軸や像を展示している。
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3月6日まで天領の里で開かれている第13回天神さま展示会
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毎年恒例なので飾ってほしいと軸や像を持ち込む人もあり、年を追うごとに展示作品が増え、ことしは7、80点を展示する。古い物は江戸時代と思われ、最も古いと思われる座像は厨子のなかに納まったいかにもありがたそうな高さ10センチのほどの彩色していない木彫だ。
道真は胸などに家紋「梅小鉢」があるのが印。地元の出雲崎や見附市、村上市、さらに県外の富山県や秋田県のものも。道真につきものの松竹梅とともに描かれたり、珍しいウシに乗った姿や高さ50センチを超す大きなものまであり、道真の姿はさまざまで、見比べてみるだけでも楽しい。
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展示しているなかで最も古いと思われる江戸時代ころの厨子に納められた道真の座像
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村上市の大浜土人形
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座像は木彫は効果なので土人形が多い。買い求めたいという人が多いこともあり、ことしは見附市今町で作られている今町土(べと)人形を1体2,800円から6,800円で販売している。
展示品の大半は同館の所蔵品だが、一部は三輪館長(64)のコレクション。弓と矢を持った随臣(ずいしん)2体を従え、陶器もセットになった豪華なものも。また、手描きの軸が残っている反面、当時は安かったがゆえにほとんど残されていない版画も3点展示している。
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販売も行っている見附市今町で作られている今町土人形
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三輪館長のコレクションの随臣2人を従えた豪華なセット
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この展示を盛り上げている仕掛け人が、三輪館長だ。出雲崎町では海岸部を中心に天神講が盛んだ。三輪館長は出雲崎町の生まれだが、天神講が行われない地域だった。平成6年に町役場職員として同館に異動になったのがきっかけで天神講に興味をもち、今は積極的に天神講に関する情報、資料を集めている。
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三輪館長、後ろに並ぶのは三輪館長のコレクション
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ことしは同館のほかにも町内で2月25日まで北国街道妻入り会館、3月6日までうつわの店いづもと大黒屋にも天神さまを展示。さらに町外の柏崎市内10カ所と刈羽村内1カ所の計15カ所で展示し、「天神さま街道」と銘打っている。
さらに陣屋があったとも言われる同町石井町、多聞寺(たもんじ)には、佐渡に流された鎌倉時代の順徳天皇の守護神だったと伝わる菅公像をまつる。上杉景勝が佐渡征伐で本間一族を征服し、黒木御所に納められていたものを宿陣の礼に多聞寺に与えたとされるロマンあふれる言い伝えが残る。
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鎌倉時代の順徳天皇の守護神だったと伝わる菅公像をまつる多聞寺
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同寺では毎年1月25日に天神講の祭りを行い、町内の青年が総出で菅公像を輦台(れんだい)に載せ、太鼓やホラガイを鳴らし、町を練り歩いてたが、昭和30年代に途絶えた。「わたしは、何とかそれを復活させたい」と三輪館長。「ほかでは練り歩くというのは、もまずないし、順徳天皇そのものじゃないかと言う方もいます」と復活の日に思いをはせている。
同館は入館料が必要だが、天神さま展示の期間中は、天神さま関連の展示を行っているロビーは無料で入られるので、見たい人は受け付けで申し出る。
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