「萌えキャラ」をデザインしたノートパソコンやゲーム機のアルミ製冷却台「すのこタン。」が人気の有限会社マルダイ=大竹賢一社長・三条市猪子場新田=。22日、今度は漫画『P.S.すりーさん』とコラボレーションしたソニーのゲーム機「プレイステーション3(PS3)」専用の冷却台「ピュアアルミニウムすのこタン。P.S.3」を発売する。
「すのこタン。」は、ノートパソコンやゲーム機の下に敷いて使う。純アルミニウムの高い熱伝導率を生かし、すのこの形状にしたことで高い放熱効果を発揮。発熱で機器の動作が不安定になったり熱暴走したりといった心配を軽減してくれる。
これまではオリジナルの萌えキャラ「すのこタン。」を本体上面やパッケージにデザインしてきたが、今回は漫画化「IKa」によるパロディギャグ4コマ漫画『P.S.すりーさん』とコラボ。『P.S.すりーさん』は連載をまとめたコミックが3巻出版されているが、2008年出版の1巻の表紙のイメージをパッケージデザインにそのまま生かした。
コミックの表紙は、PS3を擬人化した「すりーさん」が胸の前にアヒルの玩具を持っているが、パッケージでは代わりに「すのこタン。」を持つ。コミックの帯のデザインもパッケージに生かした。
説明書も『P.S.すりーさん』の4コマ漫画で構成し、コミックの世界観をできる限り製品に投影。さらに「すりーさん」と「すのこタン。」の中間という位置づけで新キャラクター「P.S.すりこさん」も誕生させた。
本体はPS3を載せてぴったりサイズの296×290×14mm。デザインは上面にイラストなし(3,800円)と線画のイラスト入り(4,000円)、フルカラーのイラスト入り(4,500円)の3種類。公式サイトでオンライン販売するほか、Amazonでも発売予定。
金属製品製造販売の同社は、2007年からアルミ製冷却台を製造販売している。新しい展開として他社のキャラクターとコラボを企画し、ゲーム業界では有名な『P.S.すりーさん』に話を持ち込んだところ、出版社のマイクロマガジン社もぜひにと快諾してもらい、とんとん拍子で製品化に至った。
PS3専用の冷却台も初めてで、新キャラクター登場で「今のファンの方に加え、新しいファンも取り込んでいきたい」と大竹社長。5月にテレビ朝日のクイズ番組『雑学王』に取り上げられ、一時は生産が間に合わないほどの売れ行きだった。
さらに思わぬ追い風が吹いた。この夏、予想される電力不足に伴う節電の取り組みだ。その筆頭に上げられる対策が冷房の温度設定を高くすることだが、室温の上昇はゲーム機の加熱に直結し、冷却の必要性が高まる。
電気でファンを回す冷却装置もあるが、節電対策としては本末転倒。ジェルを使った製品はジェルが消耗品だが、「すのこタン。」ならランニングコストなしでずっと使うことができ、まさに今の時代に求められる冷却装置で、大竹社長は「節電のための実用品として使ってほしい」と話している。