NPO法人新潟バドミントン・プロモーション(飯塚芳英専務理事)は8日、燕市吉田総合体育館でふれあいバドミントン教室を開いた。指導したのは、アジア大会シングル優勝と2度の五輪出場を果たし、先のロンドン五輪の女子ダブルスでフジカキが銀メダルを獲得した記憶も新しいナショナルチームコーチを務める元バドミントン選手、米倉加奈子さんで、地元の小中学生87人が指導を受けた。
新潟バドミントン・プロモーションは、2009年の新潟国体に向けて県内の選手強化に特化した組織として新潟県バドミントン協会有志で8年前に発足。活動の一環でジュニア選手の育成を図ろうと県内で会場を変えて毎年、ふれあいバドミントン教室を開いており、指導者から指導方法を学んでもらう意義も大きい。
今回は燕市の燕中と吉田中のバドミントン部の67人と、燕地区と吉田地区のバドミントンのジュニアクラブの小学生20人の87人が参加。午前9時から午後3時までたっぷり米倉さんの指導を受けた。
指導は礼儀の大切さや靴のはき方から始まり、ラケットを持たないフットワークの練習も。子どもたちを集めては練習の方法とその意味を教え、自分の打ち方を教えるだけでなく、子どもの筋力にあわせた動作も教えた。
米倉さんは、フェイントは肩甲骨を使ってラケットの先を動かすようアドバイス。ネットへ詰めるときは、速やかに次の動作に移れるようにラケットをできるだけ長く持ち、体も手足も精いっぱい伸ばしてリーチを生かすように話し、「届くということを体に覚えさせれば大丈夫」。スキップのようなフットワークを要求し、「タタンができないと追いつけない」と子どもたちにわかりやすく説明した。
米倉さんの指導は言われてみれば納得の合理的なことばかりだが、そこに気付くのは難しい。ことし7月にバドミントンクラブ「つばめインパクト」でバドミントンを始めたばかり燕東小5年小林聖実さんは、「打ち方が勉強になったし、おもしろかった」と息を弾ませ、米倉さんが投げるシャトルを夢中で打っていた。
県内のバドミントンジュニア選手はレベルが高い。ことしの第28回若葉カップ全国小学生大会では、新潟県から女子は小野Jr.クラブが準優勝、男子ははちみつジュニアと阿賀野ジュニアが3位となっている。燕市は昭和40年代から平成に変わるころまで県内でもトップレベルだったが、近年はやや低迷しており、地元指導者は今回のふれあい教室が地元の子どもたちにいい刺激になることに期待していた。