国定勇人三条市長は11日午前9時から行った記者会見で、震災がれきの広域受け入れについて、同一歩調をとる柏崎市の会田洋市長が先に示したように、10月上旬から中旬にかけて搬入、試験焼却を行うことで岩手県と調整中とした。試験焼却の受け入れ量は、三条市が13トン、柏崎市10トン。
国定市長は13の項目で発表したあと、用意した報道資料にはない震災がれきの広域受け入れに関する現在の状況について話した。この日は東日本大震災から1年半の節目だが、今も200人以上が三条市内で避難生活を送っており「復旧復興は道半ばどころの騒ぎでない」。「復旧復興の足かせにやはりつながっているのが震災廃棄物」で、岩手、宮城も広域処理しなければ先へ進まないという状況を示した。
三条市が震災がれきを受け入れる予定の岩手県大槌町によると、同町内での破砕分別施設の拡張が難しいため三条市が受け入れる木質系チップの製造ラインが設置できず、山田町の木質系チップ製造ラインのわきに大槌町の製造ラインを設置する。
このラインから木質系チップを含む災害廃棄物が10月に入ると搬出可能になる。広域受け入れを表明した県内5市のうち、同一歩調をとってきた柏崎市と連携して試験焼却に向けた日程調整を行っている。
柏崎市の会田洋市長が8月の定例会でも話したと聞いているが、それと同様におおむね10月上旬から中旬にかけて清掃センターへの搬入と試験焼却を行う方向で岩手県との間で調整しており、輸送の調整もある。
搬出の段取りは、山田町から木質系チップ化したものをコンテナに詰めて岩手県内の貨物基地へトラック輸送。鉄道で新潟県内の貨物基地に到着し、そこからトラックへ清掃センターへ。基本的に岩手県が手配する。
県と5市で焼却灰を適切に区分し、管理することで合意した。市の新しい焼却場では、主灰は再利用し、最終処分場に運び込まれるのは飛灰。新しい焼却場では、飛灰を水に溶けにくくするキレート処理を施し、運び込んでいる。
三条の廃棄物からも放射性セシウムが検出されている現状では、1キログラム当たり放射性セシウム濃度100ベクレル以下なら一般廃棄物として変わりないものとして本来は処理すべきところだが、県との合意事項で「適切に区分して管理というところは、ここは我々が合意した以上はわれわれの責務として果たしていかなければいけない」。
まず、試験焼却の結果が必要で、著しく高い放射性濃度が検出される可能性がゼロとは言いきれず、結果がでるまでは清掃センターのコンテナのなかで保管する考え。安全生が確認されれば、キレート化してコンクリート固化した飛灰を最終処分場に一時保管し、最終処分場の工事が完了した後、場所を明らかにして埋め立てることで、適切な区分保管をするということの合意を満たしていく。
報道関係者からの質問を前に国定市長は、震災がれきの関係は「これ以上、聞かれても何も出ません」と話したが、やはり震災がれきの質問がほとんどだった。
受け入れについては三条市と岩手県との間で試験焼却前に協定を結ぶ見込みで、試験焼却の受け入れ量は三条市が13トン、柏崎市が10トン。歩調をあわせて受け入れるので、試験焼却の日程は柏崎市と同じような日程になる見込み。震災がれきが県内のどこの貨物駅に運ばれるかなどはまだ決まっていないと話した。
詳しい人の話では、県内には新潟貨物ターミナル駅、南長岡駅、黒井駅の3つの貨物駅があり、加えてこれら3駅にトラック輸送するコンテナを集約させるオフレールステーションという施設が中条、東三条、柏崎、青海の四カ所にある。
コンテナは震災がれき専用があり、すでに首都圏では専用コンテナを見かけることがあり、理論的には新潟貨物ターミナルか南長岡からトラックで東三条貨物駅に運ぶのが合理的という。13の発表項目は次の通り。