燕市は5月7日の新庁舎開庁に先だって24日午前10時から新庁舎竣工記念式典を行った。2006年3月の合併から7年余り、旧3市町庁舎を利用した分庁舎方式で業務を行ってきた同市は庁舎もひとつになった新たな一歩を祝った。
来賓や工事関係者ら200人近くが出席。多目的に利用できる1階の「つばめホール」で式典を行った。式辞で鈴木力市長は、新市の合併協議会で新庁舎建設を盛り込んだ合併協定が締結され、新庁舎建設基本計画を策定、平成23年度から約2年で建物建設、外構工事が行われて新庁舎が完成した経緯を話した。
「新庁舎はあらゆる人に優しい安全安心なランドマークとしてユニバーサルデザインに配慮」し、内部は大きな吹き抜けで自然通風、自然採光をはじめ太陽光、風力、雨水など自然エネルギーを積極的に活用し、LED照明を全面的に採用し、環境に優しい庁舎にした。
同市の公共建築物として初めて免震構造を採用。非常用発電装置の設置、災害時のスペースの確保など災害対応機能を強化した。
新庁舎は国道116号の吉田バイパス開通を前提に立地場所が選定され、新庁舎の機能が最大限に発揮されるためにも国会議員や国、県の関係機関に吉田バイパスの早期実現に理解、支援を求めた。
フロアマネジャーの配置や各種証明書発行のワンストップサービス化で市民の利便性向上を図り、行政機能の一元化効果を最大限に生かし、分野横断的な施策の展開や迅速な意思決定でさらなる行財政改革を進め、「引き続き子どもたちが未来への夢や郷土への誇りをもてるような日本一輝いているまち燕市を目指して職員とともに全力を上げて取り組んでまいることをここにお誓い申し上げます」と結んだ。
斉藤広吉市議会議長は新庁舎の竣工により「市の象徴として名実ともに充実した市政づくりに役立てられること」、職員には「心機一転、住民サービスのいっそうの向上」を求めた。
南波瑞夫副市長が工事経過を報告、新庁舎の設計、工事業者に感謝状を贈呈してそれぞれから謝辞のあと来賓祝辞で閉式。続いて内覧会に移り、施工業者らの案内で各階の機能を順に見て回った。
新庁舎は敷地面積35,923平方メートル、庁舎棟は地上4階建、塔屋1階建鉄筋コンクリート造で延べ床面積11,443平方メートル、付帯施設棟が地上1階鉄骨造で延べ床面積1,656平方メートル。
外観は直線、平面を組み合わせたシャープな印象で、広い南北の面はガラスが覆う。内部は4階までの吹き抜けによるオープンな空間で、執務室の基本構造は仕切りのない一体化された空間で棚が低く開放的だ。1階の南側の窓の外には木製の縁側が張り出し、さらにその向こうは芝生が広がる。議場などのある4階には、スカイラウンジや空中庭園のようなスペースも設けられている。
屋上には市の公共施設では初めてヘリポートを設置し、太陽光パネルも。3階には防災対策本部を設置できる大きなプロジェクター用スクリーンを備えた会議室を配置する。5月7日の開庁だが、27、28日と午前10時半から午後3時半まで新庁舎の一般公開と竣工イベントが行われる。