東京芸術大学美術学部デザイン科と法政大学デザイン工学研究科の大学院生がコラボレーションして作成、発行するフリーペーパー『DAGODA(ダゴダ)』で三条市の「小路の魅力発掘事業」を取材、掲載することになり、7日から9日までの3日間、両大学の大学院生が三条市を訪れてフィールドワークを行っている。
芸大美術学部デザイン科の藤崎圭一郎准教授は、法政大デザイン工学研究科の講師も務めている。2008年からそれぞれの科の大学院生が企画から取材、編集、紙面デザインまですべてを手掛けたフリーペーパー『DAGODA』を年に1度、発行している。昨年は休み、ことしは10月ころに第5号を発行する。
制作メンバーは芸大3人と法大12人の15人。A4判変形で4、50ページになる予定で、約3,000部作成する。今回のテーマは、「public(公共の)」でも「private(個人の)」でもない「common(共有の)」で、小路を息づく人の営みを浮き彫りにし、小路の魅力について検討し、提案する。いくつかあるコンテンツのうちのひとつが、三条市の「小路の魅力発掘事業」。昨年度、三条市の地域経営課に勤務した芸大OGのアーティストから提案もあって三条市に目をつけた。
今回、7日に三条市を訪れたのは、いずれもことしで23歳になる芸大の草壁一美さん、法大の山崎宏太さんと鍵田真在哉さんの3人。燕三条ウイング、市役所地域経営課、三条鍛冶道場、商店街や小路の散策、猪本木工の見学などのあと国定勇人市長と面会した。
国定市長は、三条市の小路を生かした取り組みなどについて話す一方、『DAGODA』のクオリティーの高さに感心。燕三条版のフリーペーパーをという声には、「いいね〜、それいいじゃない!」「それはありですね〜!」とノリノリで、大学院生によるアイデアに期待した。
草壁さんは、三条は道路の赤さびの色と高い建物がなくて空の青が目に入る「町の印象から受ける色が全然、東京と違う」と言い、「人と人をつなぐのにいい役割を果たせそうな気がする」。山崎さんは、客と店員が知り合いで「例えばパン屋さんなどの入店がスムーズで、東京には見られない風景」。鍵田さんは、「みんな積極的にいろんな話をしてくれて」、「皆さん、仕事に対して誇りみたいなものをもってる」と話していた。
2日目の8日は周辺を散策しながら相場紙器、新光鋏製作所、かじまちの家、川瀬製麩店を見学。最終日9日は三条マルシェを手伝う。その後、三条市へはもう2回ほど訪れる。