燕市では給食センターの統廃合を契機に設立した「学校給食用食器・備品の共同研究事業研究会」で学校給食用のスプーン、スタッキングカート、配膳台を開発。まず「洋食器の日」の7月12日に市内全小中学校の給食に学校給食用スプーンがお目見えする。
開発した学校給食用スプーンは広瀬金属(株)=燕市南3=が製造。ステンレス製で重さは一般的なスプーンより2割以上も軽い32グラム。柄の部分の肉厚を薄くし、低学年の児童にも持ちやすくした。安全生と口当たりの滑らかさを向上させるため、スプーンの皿まわりに面取り加工を施した。曲線が連続するデザインも美しい。
学校給食用スタッキングカートは、(株)ヨシカワ=弥彦村大戸=が製造。スーパーのショッピングカートのようにカートを後ろから差し込むような形で重ねて収納できるため、2台目以降は5分の1程度のスペースで収納できる。荷台は取りはずしでき、天板板金タイプもある。
学校給食用配膳台は(株)イケダ=燕市小関=が製造。まだ試作段階で児童生徒が使い勝手の良い配膳部分の幅、長さ、高さに設計した。配膳台を展開するときに手指をはさまないように工夫。商品化するときは、抗菌加工とエコクリーン加工も施す。
燕市は今年度から3年ほどかけて市内3つの給食センターを2つに統合、東と西の新しい給食センターを建設する。それに伴って2011年7月に市の産業界と給食の現場の職員で「学校給食用食器・備品の共同研究事業研究会」を設置して研究開発を進めて2年になる。
市では今後のPRにとスプーンを先駆けて購入して学校で仕様。スタッキングカートは新設される給食センターに導入し、配膳台は小中学校で古いものと随時入れ替えていく。
28日の定例記者会見で鈴木力市長は、「いろんな見本市に出店しながら全国に広めるようなこともやっていきたい」、とくにスタッキングカートについては「給食現場じゃなくて、いろんなホテル、レストランでも大いに可能性があるのでは」と幅広い需要に期待していた。