燕市八王寺、真宗仏光寺派安了寺(松島孝夫住職)にある県指定天然記念物「八王寺の白藤」の保存に務める、地元有志でつくる八王寺大白藤保勝会は4月30日、ことしもホームページで白藤の開花状況の更新を始めた。
「八王寺の白藤」は東西約30メートル、南北約20メートルのフジ棚につるを広げ、5月には白い花房を下げて市外からも大勢の見物客を集める。
2011年から白藤の開花が近づくと八王寺大白藤保勝会のメンバー、会社員川崎勝司さん(57)=燕市八王寺=が白藤の開花状況を撮影した写真とともにホームページに掲載し、白藤の見学に訪れる人に役立ててもらっている。
30日の開花状況は、ところどころに花びらの白い色が見え、開花目前。夜桜ならぬ夜藤を見物する人のために30日、5月1日の2日間、境内に電気工事業者がちょうちんを取り付けを行っている。
松島住職は、三分咲きくらいになったらちょうちんをつける考え。毎年、15日ころに満開になるが、ことしは開花が早いと見ており、点灯開始は「もう5日か1週間くらい」と、早ければ連休後半にともりそうだ。
点灯時間は夜6時半ころから9時、10時ころまで。見物客が途切れないうちはつけておく。昔は夜、白藤の下で宴会する人がいたので、もっと遅くまでつけていたが、今はいないと松島住職は言う。
12年冬の大雪でフジ棚は3分の2が崩壊し、大きなダメージを受けた白藤は枯れることも心配されたが、雪解け後にフジ棚を修復し、造園業者によるせん定や枝落とし、樹木医による診断や治療を行ったおかげで、樹勢を回復するどころか、以前にも増して元気になったように見える。
つる性植物の生命力の強さを感じさせ、ことしの花房のつき方も上々。松島住職は「おかげでかえって白藤の寿命が延びたのでは」と喜んでいる。