三条市のカービング作家、坂井宏子さん(32)の初めての個展「カービング展 石けんと花たち」が28日まで燕市秋葉町3、カフェ・ド・リラ・ブレーメンで開かれており、石けんを使ったソープカービングを中心に約60点を展示している。
坂井さんは、果物や野菜を使った伝統的なカービングの文化があるタイで学ぶようになってことしで3年目。果物や野菜は傷みやすいため、石けんのほかキャンドルに施した作品を展示している。
カービングで表現するのは花が基本で、今回はとくになかでもポピュラーなバラが大半。虫めがねで見たくなるほど細密な造形は、ため息が出るほど見事と言うほかなく、見学に訪れた人もただただ「すごい!」を連発している。
さらにウェディングケーキをソープカービングで飾った作品やカービングで作ったブーケ、黒い石けんで作った結果、削り粉が白くなって偶然にアンティーク風になった小物入れ、母と子をテーマに珍しく人を彫った作品は自然と自分と娘の姿になり、色むらのある石けんのおかげでカメオのようにも見える。
色を変えた層を作ったキャンドルを使った作品では、表面から彫り進めると段々、色が変わっていてスイカなどをカービンした作品のよう。タイの先生から先生考案のデザインを作った習作もある。
坂井さんはカービングを始めてまだことしで3年目だが、昨年はタイで開かれた国内のフルーツカービングコンテストの団体戦で優勝し、技術は申し分ない。以前から同店での個展の話はあったが、作品の数が足りず、まとまった数の作品ができるのを待って開いた。
「カービングを実際に見てもらう機会はなかなかないので、地元の人から見てもらおうと思って」と坂井さん。しばらく休んでいたカービング教室を10月から再開することもあり、「教室に通うきっかけやモチベーションになれば」と話している。最終日28日は午前11時から午後3時まで、入場無料。