DIY活動をする女性たちのサークル「DIY女子部」(都澤陽子代表・本部東京都千代田区神田神保町)は3、4日の1泊2日で「燕三条 工場の祭典」などをめぐる「燕三条裏表ツアー」を行い、DIYをキーワードに燕三条を見て回った。
初日3日は、DIY女子部をサポートしている大工道具を中心とした商社、角利産業株式会社(加藤敏敦社長・本社三条市東本成寺)の案内で裏ツアー、翌4日は工場の祭典の自由見学した。
3日の裏ツアーには3年ほど前から参加している地元三条市の加藤はと子さんのほか、首都圏からの部員9人、さらに午後から愛知県からの3人が合流した。裏ツアーといってもなにも怪しいことはなく、角利産業を含め、同社と取り引きのある三条市内のDIY関連メーカーを見学しようと企画したもので、見学先が工場の祭典に参加していない企業のこともあって裏ツアーというわけ。
午前はドライバー製造の兼古製作所とスリーピークス技研、午後から角利産業と大工道具製造の角利製作所、機械刃物製造の中屋、切り出し小刀製造の増田切出を見学した。DIY好きな部員だけに、毎日のようにふれている道具が作られていくようすに興味津々。さまざまな工程を経て次々と生まれていく製品に「モンスターズインクみたい」と胸を躍らせて見学していた。
兼古製作所では、DIY女子部などから「工具のカラフルな色がうるさい」という声から開発された、グリップを白で統一した新製品のドライバーセットがプレゼントされた。角利産業では倉庫を見学し、フロアを埋め尽くした棚にぎっしりと並ぶ工具に「これ、あたし使ってる」などと案内役の社員そっちのけで自由に見学していた。
DIY女子部は2011年3月に発足。部員は全国で1,800人以上にも及ぶ。女子力を生かしたDIY活動をする女性たちの集まりで、東京、大阪、名古屋、長崎の4カ所に“工房”と呼ぶ活動拠点があり、部員が自由に工房に出入りして、備え付けの工具を使って作業を行ったり、ワークショップを行ったりしている。
東京の工房は角利産業の関東オフィス=東京都練馬区羽沢=1階を間借りしている。同社がスペースはもちろん、工具類も無償で提供して自由に使ってもらっている。
加藤社長とも面会した。代表の都澤さんは「お世話になっている会社へ伺って直接、お礼を言いたかったので、本当に感動した」。見学先の工場が品質を保つためにさまざまな工夫を凝らしているようすを目の当たりにし、「安い工具には理由があることがわかった」、「工具の使い捨て文化をやめなければならないと思った」と工具、ものづくりに対する認識も変わり、「工具を大事にすることを女子部からも発信したい」と話していた。