ミニシアターカフェ「キネマ・カンテツ座」=関本秀次郎店主・三条市本町2=で23日から28日まで「自己満足展vol.1−写真世界−」が開かれており、仕事ではないからこそ撮りたいから撮った写真ばかりが展示販売されている。
展示されているのは、9人が撮った1人4、5点の計40点で、1点3,000円前後で販売されている。DJで会社員の三条市のmowsow.Recさんは、家具職人のSURRENDERさんが作った額に入れた。フジロックのオフィシャルカメラマンにもなった三条市のアリモトシンヤさんは得意のライブパフォーマンスを封印してTシャツにプリントした作品を用意した。
ろうそく作家の長岡市のババカズキさんはドイツのライカカメラで自分で作ったキャンドルなどを被写体に重厚に撮った。新潟市の吉田剛人さんは新潟市で輸入雑貨店を営む吉田剛人さんは雑貨の買い付けに訪れた海外の写真。
三条市の蝶ネクタイの作家の須山みづえさんはことしに入ってヨーロッパを旅して主にベルギーで撮った写真。三条市の会社員ウチヤマヨシフミさんは夜のコンビナートや工場を撮った工場萌えだ。
長岡市出身で東京で活躍する現代音楽家のひらさわりょうさんは掛け時計の文字盤にエロチックな作品をはめ込んだ。ショートムービーの監督も務める新潟市の会社員カンダアキラさんは枯れ葉や花を時間が止まったように切り取った。そして店主の関本秀次郎さん(41)はハクサイのアップや観覧車など何気ない風景を独特な完成で切り取る。
初日の午後、見学に訪れた女性は「秀次郎さんはセンスがいいから、きっといい感じの展示になってるだろうと思って。思った以上にいろんな作品が楽しめておもしろかった」とバラエティーに富んだ作品に見入っていた。
初めての企画で、始まりは昨年10月に関本さんが写真を始めたこと。ホームページなどに店の料理の写真を載せようと、必要に迫られて一眼レフカメラを買った。ヤフオクでペンタックスK-7を2万円足らずで落札。28-80ミリのズームレンズがセットだったが、1カ月とたたないうちに友人からペンタックスの35ミリの単焦点レンズをもらった。
「一眼レフのボケ具合に感動し、単焦点レンズのボケには“なんだこれ!”と声を上げて驚いた」と関本さんは予想上回る本格的なカメラの魅力に興奮した。カメラ好きの客も多く、関本さんがカメラを入手すると写真ネタで盛り上がることも増えた。
カメラ趣味にするとカメラやレンズに金をかけるため、妻や彼女の手前、こそこそと趣味を続け、肩身が狭い思いをしている人が多いことにも気付いた。「それなら、みんなにいいところを見せようよと。ダメもとで作品を売ってみて、売れたら認められったことになるし」と、自己満足展を思いついた。
写真について関本さんは「おもしろ過ぎるし、難し過ぎる。男の人が好きなものが凝縮されている。男心をくすぐる趣味と気付いた」。次回は写真以外のジャンルで自己満足展を開こうと考えている。毎日正午から午前0時まで営業、入場は無料。