22日から24日まで秋田県秋田市・秋田県立武道館で開かれた全中の第45回全国中学校剣道大会の女子団体で、燕市立燕中学校(高畑秀紀校長)剣道部は準優勝した。一昨年、昨年とベスト8の不本意な成績だったが、3年前までは3年連続5回の優勝を重ねた。王座奪還を目指してことしの大会に臨み、その願いは果たせなかったが、堂々の全国2位。さらに主将の3年相場葵さん(15)は女子個人でベスト8で入賞した。
女子団体決勝では、神奈川の津田中と対戦。2-2の同点で終わったため代表選となり、燕中は主将の相場さんで臨んだ。相場さんの方が積極的に仕掛けたが決めきれず、代表選も延長戦に入る大接戦となったが、そこで一本を取られて敗北。両校どちらが勝ってもおかしくない試合展開だった。
大会が終わると部員らはそのままバスで燕中へ向かい、午後9時過ぎに到着。正面玄関前で保護者や部員、剣道部OB、関係者など約80人が拍手で出迎え、玄関を入ってすぐのホールで結果報告のセレモニーを行った。
高畑校長は「決勝トーナメントはどの試合も厳しい試合だったと思う。でもみんながつなぐ剣道を通してひとつずつ成長していったと感じた。準優勝、大変すばらしい結果だと思う」とほめ、「今は悔しさも当然あると思うが、胸を張ってこれから生きてもらいたいし、それがいちばん大事だと思う」と励まし、「わたしは燕の剣道は日本一だと思う。心技体でいちばん大事なの心だと思う。強い心をみんなでもってやってくれた」と選手たちを誇った。
選手たちに花束を贈呈、相場主将が大会の経過を報告。相場主将は「先輩方が築いてくれた伝統や縁に助けられた部分もたくさんあり、決勝戦まで勝ち進むことができた」、「決勝戦で負けて、堀田先生に金メダルをプレゼントできず、悔しいけど最後まで8人で戦って良かった。来年はこの悔しさをばねに長野でリベンジを果たしてほしい」と実現できなかった目標を後輩に託した。
昨年度まで小池中剣道部顧問だった堀田秀浩監督は「今まで燕中学校が優勝するようすをギャラリーでしか見たことがなかった。今回、選手とともに過ごして本当に感動をいただいた」とし、「優勝には届かなかったが本当に必死になって試合をする姿、試合に出れなくても一生懸命、選手を支えるマネージャー、8人が一体となって頑張ったのでぜひ優勝してほしかった」と無念さを感じながらも「本当にすばらしい大会だったと思っている」と選手に感謝した。
セレモニー後、堀田秀浩監督は選手たちを「自分たちで気持ちをつくって練習し、自主的にやってくれ、自主的に動けるチームになっていた」と選手の心、チームワークを評価した。
長い間、燕中剣道部の実績を支えてきた顧問の堀田正秀教諭が今春、異動した。その堀田正秀教諭は、堀田秀浩監督の4つ年下の弟でもあり、プレッシャーのかかる大会だったが、初年度で準優勝という成績は十分以上に重責を果たしたと言える。
決勝の相手とはこれまで何度も対戦し、互いに手の内を知り尽くしている。「どっちに転んでもおかしくない試合」、「こっちが優勝してもおかしくなかった」と堀田監督の言葉には悔しさがにじんだが、「運がなかったということ」と自分に言い聞かせた。
一方、選手は決勝戦が終わってから閉会式が始まるまで号泣した。相場主将は「悔しかったけど、チームでやれることはやった。このチームで戦えて良かった」と振り返り、「高校でも日本一を目指して頑張りたい」とすでに次の新しい目標に向かっていた。選手は次の通り。敬称略。
選手 | 学年 | 段位 | 名前 |
---|---|---|---|
先鋒 | 3年 | 二段 | 丸山萌々 |
次鋒 | 2年 | 初段 | 辰口萌子 |
中堅 | 3年 | 二段 | 中村紗菜子 |
副将 | 1年 | 一級 | 中村美空 |
大将 | 3年 | 二段 | 相場葵 |
補員 | 3年 | 二段 | 奥山真昼 |
補員 | 1年 | 一級 | 本間朱莉 |