給食に三条産のコメを使っている東京都・荒川区立第二峡田(はけた)小学校の児童が、交流活動事業「コシヒカリ収穫体験 in 三条」として19、20日の1泊2日でことしも三条市を訪れ、棚田での稲刈り、ナシ狩りや笹団子作りなど三条の秋を全身で味わった。
三条産のコメを首都圏で知ってもらうキャンペーンの一環で2009年から行っている交流事業。現在は荒川区内の7校が三条産米を給食に使っており、第二峡田小は当初から給食に三条産米を使っている。11月ころには三条市のコメの生産者や市職員などでつくる「おにぎり隊」が同校を訪れて、児童と一緒におにぎりを作るなど交流を続けている。
今回、三条市を訪れたのは、希望した4年生9人、5年生22人の児童31人と勝山典昭校長をはじめ、教職員と保護者7人の計38人。初日19日は、昼ころに新幹線で来条し、「北五百川の棚田」でコシヒカリ収穫体験、「いい湯らてい」で学習発表会を行って「よってげ邸」に宿泊。翌20日は道の駅「漢学の里しただ」の農家レストランで朝食と笹団子作りを体験し、大島地区の果樹農家でナシの収穫体験、燕三条地場産業振興センターで昼食を食べて帰った。
コシヒカリ体験は朝の雨で田んぼはぬかるんでいたものの、青空ものぞいた。児童たちは持参した長靴をはき、軍手をはめた小さな手にかまを持ち、地元生産者らの指導で昔ながらの方法で手でイネを刈った。
片方の手でイネの束を持ち、もう片方の手に持ったかまでイネの根元を刈る。児童には祖父母世代の指導者は、その動作を3回繰り返し、「ひとつの手で3つ(3束)とって、1把にして置く」と言いながらざくざくとイネを刈って見せると、児童は「すげ〜」、「3つも持てな〜い」と目を丸くした。
児童は泥だらけになるのも気にせずに稲刈りに熱中した。こつをつかむとスピードも上がり、「この列、早いねっか」とほめられた。雨で水を吸って重くなったイネを抱えてはざ掛けも行い、「稲刈り、楽しかった」、「(田んぼで足が)はまるのは大変だったけど、やりがいがあった」と額の汗をふいた。
1時間余りの体験を終えて、次の「いい湯らてい」にはマイクロバスで移動する予定だったが、予想以上に泥だらけだったので棚田の散策を変更して駒井出川沿いを10分ほど歩いて移動した。
「いい湯らてい」のロビーで行った学習発表会は、同校や荒川区の紹介をしたり、「黄金の稲穂が見える秋の空 三条のおいしいお米日本一」と俳句を詠み、昨年も参加した5年生が感想を述べるなど、児童全員がマイクを握った。さらに同校の名物「二峡ソーラン」を披露し、来館者は拍手を送っていた。