三条市・保内工業団地に木質バイオマス発電所が建設されるのに向けてプロジェクトを進める三条市、SGET(エスゲット)発電グリーン三条合同会社、グリーン・サーマル株式会社、グリーン発電三条O&M株式会社の4者が27日、環境に配慮した地域づくりの推進や地域の産業振興で協定を結んだ。
午前11時から三条市役所で調印式を行い、国定勇人市長、SGET発電グリーン三条合同会社の代表社員であるスパークス・グリーンエナジー&テクノロジー株式会社の北川久芳代職務執行者の代理で谷脇栄秀取締役、グリーン・サーマル株式会社とグリーン発電三条O&M株式会社の滝沢誠代表取締役が調印を交わした。
木質バイオマス発電所は、スパークス・グリーンエナジー&テクノロジーとグリーン・サーマルの両社で設立したSGET発電グリーン三条が企画、運営する。スパークス・グリーンエナジー&テクノロジーは主に資金調達の役割を担い、東京都が進める官民連携再生可能エネルギーファンド事業によるファンドも投資する。
現在、プラントの設計などを行っており、2016年10月の着工、17年11月の営業運転開始を予定している。出力は一般家庭約1万世帯分に相当する6,250kw、事業費は約60億円。原則として東北電力に売電する。地元で約20人の雇用を予定する。
協定では、三条市の未利用木質バイオマス資源の有効活用による環境に配慮した地域づくりを推進するとともに、林業の活性化をなどによる地域の産業振興を図るために連携して取り組むもので、内容は「地域温暖化の防止及び自然環境の保全」、「雇用の創出及び地域振興の促進」、「森林資源の活用及び地元森林組合等への支援」、「広域的な収集体制の構築」、「地域社会貢献活動の実施」、「三条保内発電所の円滑な運営」の6項目。
協定の意味について国定市長は、木質バイオマス発電事業は資源循環型社会の形成など行政が進めなければならない事業に合致しており、「社会的価値、責務をともに共有した方がいいだろうと協定を結ばせていただいた。ひとつひとつの項目に明確な権利義務関係が生じているということより、むしろ理念的な包括的な協定」と述べた。
谷脇取締役は「緑豊かなこの三条市の大地にわれわれが再生可能エネルギー発電所という形を通して社会貢献できることは非常に意義深い。発電所をつくるだけで終わってはいけない」、滝沢代表取締役は「未利用な資源を燃料にする。それにより三条市を中心に近隣市町村から年間7億円ていどの燃料を購入できる。その結果、荒廃の進む山林に人の手が入り、雇用の増加、林業の活性化に加え、環境保存に寄与する」と話した。