スマートウェルネス三条の取り組みとして三条市がJR北三条駅そばの三条学校給食共同調理場跡地を整備して生まれた、まちなか交流広場「ステージえんがわ」が26日オープン。翌27日に内部の食堂「三条スパイス研究所」がオープンする。
1,694平方メートルの敷地に長さ40メートル、延べ床面積277平方メートルの木造平屋建てを建設した。事業費は外構工事も含めて1億3,172万円。
食堂部分はガラスなどで仕切られているが、開放して屋外と一体化したような空間にもできる。それ以外の「軒先」と呼ぶ部分は屋根と柱だけで壁がなく、誰もが自由に使えるスペース。ベイマツの角材をむきだしに組み合わせたような造形で、同施設と同じ手塚建築研究所が設計した十日町産業文化発信館「いこて」を思わせる。
建物全体が「縁側」というコンセプトで、どこにでも気軽に腰掛けられる。建物は軒先をあえて低く抑え、木の構造物に包まれるような安心感がある。
食堂部分以外は自由に無料で利用できる。休憩や待ち合わせはもちろん、サークル活動、発表会、展示、イベントなどさまざまな活動の舞台になる。市は職員1人を常駐させ、利用予約もできる。
特定非営利活動法人ステージえんがわ(長野源世代表理事)を設立し、「ステージえんがわ」を活動拠点にまちの有志や地域おこし協力隊とともにまちなかの地域をコーディネートする。演劇講座やうたごえ喫茶、さらに公民館事業、自治会、市内の団体などでの活用が期待される。
三条スパイス研究所は、東京墨田区にある人気店「SPICE cafe(スパイスカフェ)」のオーナシフェ伊藤一城さん監修、株式会社リトモ(熊倉誠之助社長・新潟市西区)に運営を委託する。「ターリーセット」(1,296円)、「ビリヤニセット」(1,620円)をはじめ、地元の食材やカトラリーにこだわり、スパイス料理を中心に提供する。
営業時間は午前10時から午後8時まで。定休日は毎週水曜と第1火曜だが、「ステージえんがわ」前が会場になる二・七の市の開催日と祝日は営業し、その翌日に休む。市の開催日は午前7時から営業し、朝市食材を使った特製の朝ご飯「あさイチごはん」を500円で提供する。
伊藤シェフは、三条市下田地区、笹岡に住む農業山崎一一さん(87)がウコンを栽培していることを知った。ウコンはカレーに良く使われるスパイス、ターメリックのこと。山崎さんは体調を崩していることもあり、山崎さんが育てる種芋を譲り受け、春から「ステージえんがわ」で栽培して料理に取り入れていきたい考えだ。
食に関するディレクションは、フードユニット「DAIDOCO」のメンバーのひとり、新潟市の山倉あゆみさん(37)。新潟を拠点に、人・こと・空間などさまざまな事柄を「食」をテーマにつなげるプランニングディレクター。今回のスパイス研究所では、地域ディレクターチームのリーダーとして関わる。
さらに家具や備品のコーディネートに燕市・ツバメコーヒーの田中辰幸さん、まちまちないすのクッションは服飾作家の三条市・「 とイカラシ」さんがひとつひとつのいすにあわせて製作。ロゴなどデザイン部門は三条市のデザイナーの関川一郎さんと、地元の若手クリエーターらも活躍している。
「ステージえんがわ」オープンの26日は午前10時から竣工式、午後1時から7時まで建物内お披露目。午後1時から各種100円の食堂メニューの試食を行い、売れ切れたら終了。2時からたき火を行う。
お披露目イベントして、3時から三條太鼓三小相承会の祝いの太鼓演奏、3時15分からこまのたけちゃんショー、4時半から建築家の手塚貴晴さん、由比さん、近藤ナオさんによるトークショー「“ステージえんがわ”という建物と市民主体のまちづくり」、5時半からLet's ゴスペルお祝いソング、6時から伊藤シェフと山倉さんによるトークショー「スパイスという考え方〜三条スパイス研究所〜」を行う。
27日食堂オープンは、二・七の市開催日なのでさっそく午前7時から営業して「あさイチごはん」を提供。二・七の市と三条マルシェの同時開催、7時からたき火、10時半から三小相承会の太鼓演奏、午後2時から佐藤祐一さんによるピアノ演奏が行われる。