三条出身のプロレスラー、故ジャイアント馬場さん(1938-99)を名誉市民しようという署名活動が昨年10月に始まり、この4月1日からオンライン署名もスタート。2万人分署名を集めて三条市の9月定例会に提出、10月に馬場さんの妻に名誉市民の称号の贈呈を目指して取り組んでいる。
馬場さんは本名、馬場正平。三条市に生まれ、少年野球からプロ野球選手、けがをしてプロレスラーに転進。昭和史にその名を刻む大スターだ。すでに十七回忌も過ぎ、馬場さんを知らない世代も増えるなか、地元の英雄を後世に伝えていこうと、「三条の英雄・ジャイアント馬場を名誉市民にする会」(川上真樹会長)が発足し、署名活動を始めた。
三条のプロレス愛好会「三条PWF」が母体になった。以前から三条マルシェに出店して馬場さんが旗揚げした全日本プロレスのPRや応援を行ってきた。活動を続けるうちに馬場さんを名誉市民にという声が高まり、名誉市民にする会を立ち上げた。
昨年10月の三条マルシェ出店を皮切りに始めた署名活動は、これまで約1,000人分を集め、さらに10日行われた三条マルシェで500人分以上を上乗せした。4月1日に署名サイト「change.org」で始めた署名活動は12日までに200人分以上を集めたが、目標の2万人分はまだ遠い。
名誉市民にする運動は今、追い風だ。会長に就いた三条市出身のシンガー、川上真樹さん(46)が全日本プロレスの秋山潤社長と親しくなり、秋山社長を通じて馬場さんの妻、元子さんともコンタクトがとれる。
三条市出身力士の故高見若清一さんは引退後、元横綱曙のマネージャーを務めたが、曙は新会社「王道」を立ち上げ、元子さんの全面を支援を受け、馬場さんの自宅に事務所を置いたのも名誉市民の会には朗報だ。10日に三条マルシェで行った署名活動には、元子さんの賛同、許諾を受けたガウンを着た馬場さんの写真の提供を受け、等身大のパネルを作って署名を呼びかけた。
名誉市民にする会の2人の副会長のひとり、三条市の会社社長中條耕太郎さん(45)は「市民も議会も応援してくれている」と喜ぶ。まだ先は遠いが、8月末までに何としても2万分の署名を集めて9月定例会に提出。10月15日に三条市栄体育館で行われる全日本プロレスの興行にあわせ「できればリングの上で元子さんに名誉市民の称号を贈呈したい」と夢を描く。
「馬場さんが名誉市民ではないのがおかしいという声もよく聞く。三条ではまだスポーツ選手の名誉市民はない。三条市のスポーツの発展のためにも、サッカー日本代表で活躍する三条市出身の酒井高徳選手のような選手も名誉市民になれるような環境をつくっていければ」と中條さんは願っている。
三条マルシェに来場した国定勇人市長は、馬場さんを名誉市民に推す活動に「歓迎です。三条出身者で全国に知らない人がいないと言ったら、馬場さんは断トツ。それが市民の発意で始まっているのはありたがい。それ相応の動きに期待する」と賛意を表していた。