NPO法人新潟NPO協会(渡辺信子代表理事)は26日、上越市・直江津学びの交流館で県内の優れた活動をたたえる表彰制度「がっとぎっとぐっと賞」の表彰式を行い、三条市のまちなか交流広場「ステージえんがわ」を拠点に活動する「65歳以上の劇団」が「ぎっと賞」を受賞した。
2013年に同協会の法人設立10周年を記念して創設した表彰制度。がっと賞「スケールの大きい、夢がふくらむ活動」、ぎっと賞「強いこだわりを感じる、独創的な活動」、ぐっと賞「社会の求めに応えた、共感が集まる活動」の3賞各1団体を決めて表彰している。ことしはそれに加えて選考委員特別賞1団体を決めて表彰したもので、20件の応募のなかから選ばれた。
三条市からは2年前に「まんなかフェス実行委員会」が「がっと賞」を受賞して以来、2年ぶりの受賞。「65歳以上の劇団」は、84歳までの12人が所属し、ことし3月に「ステージえんがわ」がオープンしたのをきっかけに、4月に発足。元プロの劇団員の岡田美香さん(34)が主宰し、5月には早くも旗揚げ公演を成功させた。その後も毎月のように公演を続け、健康寿命の延伸や地元の新たな文化の創出に貢献し、地域のにぎわいや活力を生み出している。
表彰式では、各受賞団体に渡辺理事長から賞状、選考委員の地域活性化モデル今井美穂さんに代わって同じ事務所の山田彩乃さんから賞金を手渡した。「65歳以上の劇団」は岡田さんと劇団員の阿部友子さん(67)、織田千津子さん(63)の2人も出席して表彰を受けた。
受賞者のプレゼンテーションで「65歳以上の劇団」は、「百聞は一見しかず」で阿部さんと織田さんのふたりが、受賞記念特別公演としてなんとショートコント風の演劇「再会」を披露。ラストのオチも決まって出席者から大きな拍手でわき、見事にやりきった。選考委員も「こんなに大きな声が出るとは思わなかった」と、結成して間もないのに予想以上のレベルの高さに驚いていた。「ぎっと賞」以外の受賞者と選考委員講評は次の通り。
【がっと賞】一般社団法人CYE新潟支社
学生を中心に起業家育成などに取り組んでいる。新潟の地域性を大切にしながら若者が活躍しており、今後に広がりにも期待できる。
【ぐっと賞】こかけカフェL'ombrage
アレルギー対策、障がい者支援、カフェ経営など、一つひとつ難しいことを上手に組み合わせながら取り組みを勧め、一連の活動を通じて多くの社会課題にアプローチしている。
【選考委員特別賞】新潟こども未来塾
児童養護施設へのサンタクロース活動をはじめ、実績も多い団体。施設退所後の居場所事業など、必要性の高い事業に着目し、準備を進めていることは非常に心強く感じた。