燕市八王寺、真宗仏光寺派安了寺(松島孝夫住職)境内で枝を広げる県指定の天然記念物「八王寺の白藤」が花の見ごろを迎え、12日は観光地のようなにぎわいになった。
東西30メートル、南北20メートルの棚に枝を広げたフジの幹回りは5.3メートル。白い花を咲かせるフジでこれだけ大きなものは珍しく、1958年(昭和33)に県指定天然記念物となった。指定当時の樹齢は300年と推定されたが、それからすでに60年近くたっている。
開花期は5月初旬から中旬にかけてで、昨年は例年になく早く大型連休後半に見ごろを迎えたが、ことしは例年並み。12日にほほぼ満開となったが、花房はもう少し長くなりそう。フジ棚に近づくと滝のように下がる白い花房がむせ返るような甘い香りを放っていた。
高齢化が進んで年々、平日の見物客が増えており、金曜の12日も多いときは100人近い見物客で境内はにぎわい、周辺の道路が渋滞することもあった。多くは市外から訪れ、「きれいらね」、「ほんね、いいにおいらね」、「こりゃすばらしい」、「上品だね」と見事な花に目を丸くして驚いた。
花の色は紫だが「八王寺の白藤」と同じスケールのフジ棚が観光観光客を集める北方文化博物館のある新潟市江南区から訪れた夫婦は、幹の太さに「こっちの木の方がすごい」と燕市まで足を運ぶ価値があったと話した。
この週末が見物客もピークとなる。14日(日)は午前10時から午後4時まで同寺で燕市教育委員会と燕茶道友の会主催の第41回白藤茶会が開かれる。茶席券は700円で当日券もあり、とくに午後からは客が少なくなるので見物がてらに茶をいただくのも一興だ。