人気の包丁シリーズ「庖丁(ほうちょう)工房タダフサ」を製造、販売する株式会社タダフサ(曽根忠幸社長・三条市東本成寺)は11日、同社で親子職人体験&ものづくり体験を行った。
2015年10月に本社内に直営店「庖丁工房タダフサ ファクトリーショップ」がオープンし、昨年夏に初めて親子対象の体験を行ったのに続き、好評だったことからことしも企画した。
予約だけでも約20組の親子から申し込みがあった。昨年はサバ裂き包丁を型抜きして風鈴を作ってもらったが、ことしは大きくステップアップしてアジ切り包丁の製作にチャレンジした。
昨年は材料をスプリングハンマーでたたくくらいだったが、ことしは19の工程のうち砥石(といし)で荒仕上げとぎしたり、柄付けをしたりとより多くの作業を体験してもらった。
ことし1月からオーストラリア・シドニー出身のネイソン・ドーハティさん(34)が働いているので、英語対応も完璧だ。耳栓が必要なほど大きな音がするスプリングハンマー、焼き戻しで真っ赤に熱せられた鉄、エンドレスで火花を散らしながら面取りなど、ものづくりの現場の迫力に親子とも圧倒され、作業に集中していた。
山形県山形市でライフスタイルショップ「鎌田壱品堂」を経営する清水尚子さん(41) は長女の小学校6年生桜音さんとふたりで参加した。鎌田壱品堂は清水さんのめがねにかなった実用性のある道具を扱うセレクトショップで、もちろんタダフサの商品を扱っている。清水さん自身、小出刃包丁以外はの「庖丁工房タダフサ」シリーズをそろえているタダフサファンだ。
2年前の「燕三条 工場の祭典」にも訪れて燕三条地域の工場の回った。今回はタダフサから案内をもらい、体験だけのために来県。早朝に出発し、終わったらすぐにとんぼ返りした。包丁を作る体験は初めてで、製造現場からもタダフサの魅力を再確認。「タダフサだから1年待ちでも売れる」と話していた。