オリジナルパンのサービスでひとりでも多くの人から宗祖親鸞(しんらん)の教えにふれてもらいたいと、真宗大谷派三条別院(森田成美輪番・三条市本町2)では、24日から27日までの4日間にわたって本堂で開く「朝の人生講座」の参加者に、地元のパンとスイーツの店「コロネット」(本間伸江代表・三条市本町1)とコラボレーションしたオリジナルパンを毎日、先着50人にプレゼントする。
オリジナルパンは、「大納言スネーク」と「御坊(ごぼう)サラダパン」の2種類。いずれもすでに販売していたパンをアレンジし、一足早く店頭では8月3日からそれぞれ税抜き160円で販売している。
「大納言スネーク」は、親鸞がアズキが好きだったことにちなみ、アズキをねじり込み、食感が楽しめるようにスライスアーモンドをトッピングしたスネークパン。「御坊サラダパン」は古くから三条別院が「御坊さま」と呼ばれて親しまれていることから野菜の“ゴボウ”とかけて、きんぴらゴボウをマヨネーズであえてモッツァレラチーズとミックスチーズのダブルチーズをのせた。
コロネットは三条の大通りに面し、東映ビルのはす向かいにある。代表の本間伸江さん(47)が2年前に三条市の創業塾「ポンテキア」を受講し、三条市中心市街地空き家改修事業等補助金を活用して妹の川端見江子さん(45)とふたり姉妹で昨年11月1日に開業した。
ふたりはそれぞれパン、和菓子、惣菜などを扱う店で働いた経歴があり、自分がやりたいことができる店をと開業した。安心、安全をテーマに国産小麦にバター、きび砂糖を使って添加物は使わず、子どもからも安心して食べてもらえる約50種のパンやスイーツを販売する。客は近所の年配の人が多く、香ばしいゴマパンが人気だ。
三条別院からコラボパンの話を受けたことについて妹の川端さんは「うれしかったですね。ふだんから別院の方にも来店していただき、おいしいと思ってもえたから話があったんだと思います」と喜ぶ。三条別院から資料をもらって試作したところ一発OKだった。コラボ商品の開発は初めてで、「これを機にほかでもコラボ商品の話があれば積極的にかかわっていきたい」と話している。
夏の早朝、涼しい時間に法話など行う寺は多く、三条別院の朝の人生講座も同様。「真宗中興の祖」とも称される蓮如上人(れんにょしょうにん)が、手紙(消息)で教えの言葉を多くの人に伝え、1498年(明応7)の夏に書いた「夏の御文(げのおふみ)」4通を1日に1通ずつ拝読したあと、法話、そして朝食を配布している。
三条別院も古くは暁天講座と称していたようだが、名称が親しみにくいからと朝の人生講座に変えたと思われる。しかし、いつ改称したかはっきりしないほど古い。また朝食は昔はパンと牛乳を配布していたが、その後、ご飯と茶に変わった。
こうして参加者を増やそうという取り組みをずっと続けているが、それでも参加者は年々、減る一方。なんとか減少に歯止めをかけ、増加に転じてほしいと企画を練るなかで、朝はパンの方が好ましいとの意見があり、それならコラボでオリジナルのパンを作ってもらおうというアイデアに発展した。
とくに2015年の宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌法要から地域と歩むことをテーマにし、開かれた三条別院を目指している。オリジナルパンの出来栄えについて斎木浩一郎列座兼書記は「いいですね。わたしたちが考えたのでは、ださくなってしまう。名称もおしゃれです」と大満足。「オリジナルパンを食べに来るくらいの気持ちで気軽に足を運んでみてほしい」と参加を待っている。オリジナルパンは先着50人限定で、それを超えた分はふつうのパンを配布する。
朝の人生講座は毎日午前6時から7時半まで開き、全体のテーマは「生きる」。講師は初日の20代の僧りょから30代、40代、50代の僧りょの順に世代を変えて人生における壁や困難の前でどのようにして仏教に出会ったのかなど、自身の体験と重ねて話す。問い合わせは三条別院(電話:0256-33-0007)へ。