長野県飯山市の創作人形作家、高橋まゆみさんの人形展「ようこそ 心のふるさとへ」が16日から11月19日まで長岡市栃尾美術館で開かれている。日本の原風景とも言える郷愁を誘う作品43点を展示している。
高橋さんは長野市生まれで日本創作人形学院通信教育に学び、87年から飯山で本格的に創作人形を制作。ユザワヤ創作大賞部門賞、新世紀人形展ど数多く賞を受け、10年4月には高橋まゆみ人形館を開館している。
長岡市での高橋さんの作品展は、06年に長岡市美術センターで全国巡回展が開かれて以来11年ぶり。同美術館の秋の企画展として開催している。
お年寄りと子どもの人形が多く、表情豊かな人形たちをジオラマ風にしたり、短歌を添えたりして展示。人形を見ていると自然にストーリーや伴侶、孫との関係性などのイメージが膨らむ。人形の多くがはじけるような笑顔なので、それにつられるように見ている人も笑顔になり、「うちのじいさんの顔みたい」、「字がまたいいね」とつい話しながら見学してしまう。同時ににそれぞれの記憶と重なり、目を潤ませる人もあり、いろいろな感情を呼び覚ましてくれる。
今回の作品展に向けて高橋さんは新作「良寛さん」を制作した。越後の禅僧、良寛が3人の子どもと遊ぶようすを高橋さんが買い求めた地元で伝承される栃尾てまりとあわせて表現している。
市外からの来場者も多く、平日でも見学者が切れ目ない人気だ。午前9時から午後5時まで開館、月曜は休館日だが、「体育の日」の10月9日(月)は開館し、翌10日(火)は休館。観覧料は一般500円、大高校生250円、中学生以下無料。問い合わせは同美術館(電話:0258-53-6300)へ。