今春、三条市大崎地区の大崎小学校と大崎中学校が大崎学園に統合されるのに伴って閉校する大崎小(捧信之校長・児童543人)は20日、卒業証書授与式を行い、大崎小最後の卒業生93人が巣立った。
午前9時半に体育館で開式。進学先の制服を着た卒業生は、ぐっとおとなっぽく、在校生や保護者らの拍手に迎えられて入場した。ほとんどの卒業生が進む大崎学園は、7年生の後期課程から制服着用となり、新しい制服は、紺色のブレザーにチェックのボトム。襟元は男子はネクタイ、女子はリボン。女子は真っ白なエリが印象的なセーラータイプ。
名前を呼ばれて、中央に設けられた演台の前に進み、捧校長が「おめでとう」の言葉を添えて卒業証書を手渡した。証書を受け取った卒業生は、ピンク色と黄色のガーベラの花束を手に保護者席に向かった。自分の親の前に立ち、「卒業させてくれてありがとう」、「これからもよろしくお願いします」と感謝の言葉とともに花を手渡した。緊張気味な表情から母親や父親を見つけてぱあっと顔をほころばせる卒業生、恥ずかしそうにさっと手渡す卒業生、一人ひとりの笑顔が輝いていた。
捧校長は式辞で、「君たちはどう生きるか」と卒業生に問いかけた。吉野源三郎の同名の小説の主人公は、世界はだれか一人の大きな力で動いているのではなく、誰かのためにという一つひとつの気持ちがつながりあって動いていると考えますと紹介。「みなさん一人ひとり、自分自身で考えて、そして進んでいくことが大切」と話した。最後は、「みなさんのことをずーっと応援しています」と涙声で活躍を願った。
来賓の国定勇人市長は祝辞で、用意した文面を読み上げた後、17日に行われた大崎学園の竣工式で、「来年、入学してくる新1年生をはじめとするここにいるみんなと、そして8年生、9年生とをつなぐ架け橋として自分たちは頑張っていくんだ」と述べた卒業生のひとりの岡戸君のあいさつが本当に心にしみたと紹介した。「大切な7年生という一年間が始まろうとしています。大崎学園の歴史を切り拓くのは、まさに君たち。これから気合を入れて、がんばって楽しい大崎学園生活の第一歩を」、また、大崎学園以外の進学を決めた生徒には、「ここにいる多くの仲間が、ひとり一人を支えているんだと、自信をもって、勇気をもって、新たな中学校生活に踏み出してください」と門出を祝った。
最後は、全校生徒の掛け合いの「別れの言葉」を行い、「思い出とともに歌い継いできた校歌、一緒に歌えるにも今日が最後です、お別れに校歌を歌いましょう」と全員で校歌を歌い、「さようなら 私たちの大崎行学校」と締めくくった。
9年間の義務教育学校として4月1日に誕生する大崎学園は、同小学校の敷地に現校舎も一部活用しながら建設されている。同校に進む卒業生は、同学園の始業式4月9日には、7年生として登校する。