1日告示された8日投開票の燕市長選に立候補した現職の鈴木力氏(57)の陣営は、午前10時から選対本部で出陣式を行った。直前に立候補を表明していた新人の後藤浩昌氏(57)が立候補をとりやめ、現職と新人の一騎打ちの見込みから一転、無投票の公算が大きくなったが、集まった百人近い支持者らは戸惑い、しらけたり、憤ったり、ほっとしたり、残念がったりといろいろ思いが入り混じった。
冒頭、山後春信選対本部長が後藤氏の立候補取りやめを伝えると会場からは失笑が起こった。山後選対本部長は「もしかしたらエイプリルフールかもしれない。もしかしたら第三の候補が出るかもしれない」とし、「(この日に)予定した選挙活動は全力をあげて取り組む」と気を引き締めた。
後援会の山崎悦次会長はあいさつで、「がっくりしている」が、「中傷はやるなと言った」「用意していたアイデアモあったけど、これくらいにして」「もっとあいさつも用意してきましたが、ショックを受けてまして」と戸惑いを隠さなかった。
米山知事は無投票の可能性が高まったことについて、山崎会頭ががっくりしたという気持ちがわかると共感。「鈴木市長はなんと3期目にして1回も選挙をしていないのに、私はなんと1期目にして5回選挙している」と笑わせた。
米山知事は意外に選挙が好きで「まちの中で、わーっとかやるとアドレナリンがわいてきて、落ちても落ちても楽しくてやってきた」ので、「これが1日で終わってしまうかもしれないしれないのは意外にそれは残念かもしれない」。
しかし、それは「鈴木市長のご人徳で、やっぱり戦わずして勝つのが兵法の最上の戦略」とし、「1日、どっとアドレナリンを出していただいて、この1週間の準備をこの1日に集約したということで」頑張ってほしいと述べた。
鈴木市長は、誘いのかかった行事、イベント、会合に出席して話をしているにもかかわらず、「“鈴木とは誰”だ、と。これを言われ続けた8年間」だったと振り返り、「やはり選挙の洗礼を受けない限りは認められないのかなとそんな複雑な思いで8年間、過ごしてきた」。
今回はほかに立候補の表明があり、選挙戦になると思われ、「ようやく、ようやくチャンスがめぐってきた」と支持者と準備を重ねてきた」と無投票になりそうなことを残念がった。「本当にちょっと戸惑っておりますがこのサクラのようにきょうの5時、あるいは1週間後、皆さんとともに桜咲く喜びを分かち合う瞬間まで精一杯、頑張ってまいりますので絶大なるご支援を」と求めた。
鈴木氏と山崎会長でだるまの目入れを行い、鈴木氏のスローガンで「やるぞ!」「燕!」、「進め!」、「未来へ!」と声を合わせて激励コールを行ったあと、街宣車の前で鈴木氏は再びあいさつして街宣に出発。2カ所目の戸隠神社では支持者や近隣から約50人が参集して鈴木氏の考えに聞き入った。