新潟県三条市の諸橋轍次記念館で11日(日)午前11時半から第10回諸橋轍次博士記念漢詩大会の表彰式と受賞者らによる流觴曲水宴(りゅうしょうきょくすいえん)が行われ、それに先だって前日10日(土)午後2時半から同じく諸橋轍次記念館で日本文学研究者のロバート・キャンベルさんによる記念講演会が開かれる。
三条市下田地区出身で大漢和辞典を編さんした三条市名誉市民の漢学者諸橋轍次(1883-1982)を顕彰する諸橋轍次記念館にちなみ、諸橋轍次の偉業をたたえて後世に伝えようと毎年、漢詩を公募して漢詩大会が開かれている。
ことしは第10回の節目となり、昨年は658人から766点の応募があったが、ことしはそれを大きく上回る919人から953点の応募があった。
応募者は10歳から94歳まで。中国など海外からの参加もあり、ことしは初めて韓国詩人も参加する。姫路獨協大学・人間社会学群の石暁軍教授を審査員長に審査し、一般部と学生部の2つに分けてそれぞれ最高賞の諸橋轍次賞と県知事賞を1点ずつのほか、優秀賞、奨励賞、秀作賞、特別賞を決めた。
表彰式のあと諸橋轍次記念館の庭で流觴曲水宴が行われる。中国に伝わる水の流れに盃を流し、盃が自分の前を通り過ぎるまでに詩歌を読むもの。これを受賞者らで行う。
第10回を記念して受賞の出迎えや表彰式、流觴曲水宴では燕市でピアノ・二胡音楽教室を開く江辺玲子さんが二胡を演奏。さらにこれまでは、おこわを参加者の土産にしていたが、今回は流觴曲水宴後に下田産オードブルによる昼食会も開く。
前日の記念講演会の講師、ロバート・キャンベルさんはアメリカ出身の日本文学者で、東京大学名誉教授、国文学研究資料館館長にも就く。テレビ出演も多く、幅広く知られる。「日本漢詩文を『文学』と呼ぶべきかをめぐる考察」をテーマに講演する。午後2時開場、2時半開演。定員200人で入場料は一般1,000円、学生無料。チケットは諸橋轍次記念館と三条市立図書館で販売している。問い合わせは諸橋轍次記念館(電話:0256-47-2208、メール:kangaku@city.sanjo.niigata.jp)。
(佐藤)