任期満了に伴う新潟県弥彦村の村長選(1月22日告示、27日投開票)に新人で立候補を表明していた弥彦村弥彦、会社役員柳田友徳(やなぎだ とものり)氏(71)が出馬を断念し、それに取って代わる形で新人の弥彦村峰見、会社役員小熊循人(おぐま ゆきひと)氏(46)が出馬を決めた。すでに立候補を表明している現職の小林豊彦氏(73)との一騎打ちとなる見通しだ。
小熊氏は村立弥彦中学校、県立燕工業高校電気科を卒業。住設機器販売修理の株式会社コオネツ・サービス=峰見=の代表取締役。燕西蒲法人会弥彦地区副会長、弥彦中学校 PTA会長を務める。家族は妻と長男、長女の4人で、小熊正村議の長男。
前回の村長選後、まもなく発足した政治の勉強会「正しい弥彦を考える会」の副会長を務める。柳田氏が昨年10月に出馬を決めたが、なかなか支援の輪が広がらず、若い人が出馬するなら応援に回りたいという話もあったと言う。
「考える会」などの若い人たちから小熊氏を擁立する声が高まり、2度、3度と小熊氏の家を訪問して出馬を要請。それを受けて小熊氏は出馬の決意を固めた。
「みんなのための村政実現 未来のための世代交代」がスローガン。公約には小中学校の給食費無償化や中学生の冬期間通学バスの運行、地域コミュニティー推進のため全集落に活動費の助成、村主導の宅地造成、商工関係者との協調、防災対策の推進などを掲げる。
また、「村は弥彦競輪場の改装工事を進めようとしているが、今は必要ないのではないか。村長になれたら見直したい」との考えもある。
村の住民や団体を束ねた会を作り、そこで出た提案などを議会に上げるため、「村の住民や団体の村の声を吸い上げるような仕組みを考えたい」。
仕事も忙しく、出馬には家族からの反対もあったが、それを押して出馬を決めたのは、先の村長選が36年ぶりの選挙になり、その後も村議会も村民も村長派と反村長派の対立が続いていることと言う。
「子どもまで政治の話をする。いい政治の話ならいいが、あの人は嫌だとか。いち親として申し訳ない。村を二分せずに隔てなく暮らせる村にしたい。村長選で分裂が解消されなければずっと続く恐れがある。そうなると若い人たちも政治に出られなくなる」と憂う。
「考える会」会長の大井源一郎氏(48)が後援会長に就く。村長選まで時間がないなかで決起集会を開く時間もなく、全村で集落単位のミニ集会を重ねて世代交代を旗印に支持を広げていく。
柳田氏はFacebookで1日、選挙用ポスターを公開したばかりだが、6日夜に立候補を断念したことを投稿した。
(佐藤)