新潟県三条市は、2021年度の開設を目指す4年制工業系大学の名称を「三条技能創造大学」、学部名は「工学部」、学科名は「技術・経営工学科」に決めた。
国定勇人三条市長が16日行った記者会見で発表したもの。ただし文部科学省から設置認可までは、大学名は「仮称」を付け加えて広報活動などを行う。
実学系ものづくり大学開設検討委員会から候補として検討してもらい、高等教育機関調査特別委員会でも委員から意見を受けて決定した。あわせて「新たな発想を生み出す鍵は、蓄積された経験の中に」をキーフレーズとする基本理念も決めた。
国定市長は「地域全体をキャンパスとし、この地に蓄積された財産から学び、あわせて多様な技術、マネージメント教育をお行うことを通し、新たな価値を創造できる人材、創造性豊かなテクノロジストを育成したい」と話した。
秋には文科省に設立認可を申請する。「この大学のいちばんの肝は、産学の連携実習にある。これまでも多くの企業から賛同いただき、協力いただける環境が整いつつあるが、より多くの企業からこの新しい三条技能創造大学に関心をもっていただくだけでなく、参画いただけるような働きかけを引き続きやっていきたい」とした。
大学の名称を「燕三条」ではなく「三条」としたことについて、「将来性を考えると“燕三条”の名称は大切」で、「わたしは元より合併すべきだという立場なので、“燕三条”という冠をつけることには誰よりも抵抗感のない人間」とし、燕市に共同で設立を正式に呼びかけたこともなく、認可申請も迫るなかで「大切な三条市民からいただいた税金を活用させていただく大学の設立の実現に向けて専念していくのが今、大切な段階」と述べた。基本理念は次の通り。
三条技能創造大学基本理念
If you want a new idea, read an old book.
〜新たな発想を生み出す鍵は、蓄積された経験の中に〜
多様な加工技術が集積するこの地では、社会ニーズを的確に捉え、各種資源等に基づく戦略的な計画の上でものを製造・販売する“ものづくり”により、様々な知識や技術、経験を蓄積してきています。その蓄積された財産の中には、新たな展開を創造する種となるものが存在するのです。
本学は、地域全体をキャンパスとして、この地に蓄積された財産から学び、多様な技術・マネジメント教育も合わせて行い、それらの要素を融合して新たな「価値」を創造できる人材「創造性豊かなテクノロジスト」を育成します。
そして、企業の財産となり得る人材を輩出することで個々の企業価値を高めるとともに、この地のものづくりの持続的発展に貢献していきます。
(佐藤)