1月27日投開票が行われた新潟県弥彦村の任期満了に伴う村長選は、現職の小林豊彦氏(73)が前回を上回る900票近い差をつけて新人の小熊循人氏(46)を退ける完勝だった。
候補者 | 年齢 | 得票 | 所属 | |
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当 | 小林豊彦 | 73 | 2,934 | 無・現 |
小熊循人 | 46 | 2,052 | 無・新 |
有権者数 | 投票者数 | 棄権者数 | 投票率 |
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6,857 | 5,072 | 1,785 | 73.97% |
得票は小林氏2,934票、小熊氏2,052票の882票差。前回も一騎打ちで当時の新人小林氏3,204票に対し、4期目を目指した現職大谷良孝氏2,508票で696票差だった。有効投票数に占める小林氏の得票率は前回の56.0%から今回は58.7%に伸ばした。
前回選挙は大方の予想に反して小林氏が勝利した。当時、小林氏の政治手腕は未知数だったが、村長就任後の小林氏の村政運営に対して反村長の姿勢を明確にする村民は明らかに増えた。一方で逆にスピード感のある小林村政に信頼を寄せる村民も増え、いわゆるサイババ騒動も速やかな計画の撤回を勝ち取って評価を上げた。
小熊氏は世代交代や村民の融和を訴えた。イメージから大谷氏と同じオレンジ色。自民党弥彦村支部の推薦を受け、自民党の国会議員や県議の応援も取り付けた。25日夜、小林氏の地元の麓二区農村環境改善センターで行った個人演説会には60人以上が参加するなど若さも武器に尻上がりに盛り上がった。
投票日まで残り20日ほどに迫っての出馬表明。しかし小熊氏は、敗戦についても準備期間の短さは関係ないと潔く完敗を認めた。選挙戦で小林氏をあからさまに攻撃することもなく、人柄の良さを感じさせた。
一方で小林氏の陣営は、前回にも増して草の根選挙を徹底した。そのエンジンとなっがが、今回も小林氏の同級生。告示日からわずかな時間も惜しむように個人演説会や街頭演説の予定を詰め込み、小林氏は支持されるままに選挙運動を展開した。
小林氏は日に日に疲労がたまっていくようすがありあり。小林氏は「疲れないわけないでしょ」と笑いながらも声がかれるまで村民にメッセージを届けた。その胃袋を支えたのも同級生で、選挙事務所でのまかないは毎日、手料理を用意して運動員らにふるまった。食生活改善推進員だった人もいて食事による健康管理もお手のものだ。
今回の選挙は、4年間の小林村政に対する評価だ。完勝という結果で村民の負託を受けたからには、よりいっそう村民が一丸となって小林村政を支えていく必要があるし、何よりも村のために小熊氏が盛んに訴えた「ノーサイド」を互いに積極的に実現していかなければならない。
(佐藤)