新潟県出雲崎町尼瀬、「北国街道妻入り会館」で3月1日から4月15日まで「つるし雛(びな)かざり」が行われており、伝統的な町屋「妻入り」の間取りを再現した観光交流施設の空間を約100のつるし雛が華やかに飾っている。
地元のボランティアが製作するつるし雛を毎年、展示しているもので、県外からの来場者もあり、リピーターが多い人気イベント。ことしは20人ほどの女性が手作りしたつるし雛を展示している。
ほかにもひな壇飾りや江戸時代の古今雛(こきんびな)と享保雛(きょうほびな)、手まり、手芸品、そして巨大なまゆ玉も年明けからそのまま展示されている。建物はウナギの寝床のように間口が狭くて奥に長く、土間は吹き抜け。時代を感じさせる建物なかで和の味わいが強調されている。
土、日曜と祝日なら、ここから寺泊方向へ歩いて10分のところにある「歴史や五郎兵衛」(羽黒町105)で開館している。かつて料亭だった裕に築100年を超える町屋形式の建物を町が寄付を受け、改修して昨年9月に交流の空間としてオープンした。
茶の間の雪室や建物の下に船が到着した船だまりがあり、目の前に日本海が広がる24畳の大広間には朱のおぜんが並べてあり、当時にタイムスリップしたような感覚を味わえる。つるし雛かざりの鑑賞とあわせて立ち寄りたい。