新潟県三条市の三条ロータリークラブ(若槻八十彦会長)は、三条市内5カ所の常設型相談窓口のあるオレンジカフェ(認知症カフェ)に設置する認知症支援のためのブックコーナーに必要な書籍と本棚を寄付する。
県内の各ロータリークラブは、昨年度から認知症サポーター養成講座を開くなど認知症の理解を深める活動を行っている。毎年、寄付事業を行っている三条ロータリークラブは、ことしは認知症理解の取り組みの一環で三条市と寄付の内容を相談、提案してもらい、認知症支援のためのブックコーナーを設置することに決めた。
市内18のオレンジカフェのうち設置するのは、三条市が相談業務を委託している嵐北地区「はあとふるあたごグループホーム三条」、嵐南地区「小規模多機能型居宅介護なでしこ嵐南」、東地区「グループホームこころつくし」、栄地区「グループホームふれあいの杜三条」、下田地区「ライフケア花みずき・グループホーム花みずき」の5カ所。
ブックコーナーに必要な認知症関連の書籍100冊と書棚5台を25万円で購入して寄付することに。すでに書棚は設置済みで、書籍は納品されしだい本棚に収める。書籍は相談者への説明の参考、認知症を勉強したい介護者への貸し出し、地域の人が認知症を理解するカフェ開催時に提示するなど活用する。
3月26日、三条ロータリークラブから若槻会長ら3人が市役所を訪れ、国定勇人市長に寄付の目録を手渡した。若槻会長はこれまで認知症支援に取り組んできて「ひとつの目的を達成できたと安心している」と話した。
三条ロータリークラブが昨年12月に開いた認知症についての三条市民フォーラムには約200人が来場した。来場者のアンケート結果に国定市長は、40歳代以下が4分の1近くを占めるなど予想以上に若い人が多いことに「この年齢構成にはびっくりしている」と言い、認知症だった自身の祖父の体験談も話していた。