新型コロナウイルスの流行に伴って疫病(えきびょう)封じの妖怪「アマビエ」がSNSなどから話題が広がるなか、新潟県三条市林町2の木工工房、有限会社坪源(栗山茂社長)は4月30日、木製の「アマビエ」を発売した。
このアマビエは、カツラの木を使ってアクリル絵の具で着色したもので身長10センチ。アマビエの特徴とされる3本の足があり、胸にはうろこ。長い髪にかっぱのような口、ぎょろっとした目で、キモかわいいような姿をしている。価格は税込み2,200円。
アマビエは、疫病が流行したときに「私の姿を描き写した絵を人々に早々に見せよ」と告げたとされ、いろいろなタイプの絵が残っている。製作するのは同社の栗山嘉啓さん(57)。以前、購入してしまってあった『水木しげるの続・妖怪事典』を引っ張り出してきた。そこに収録されていた漫画家・水木しげるさんのアマビエの絵を参考にした。
栗山さんは全国各地のクラフト関係のイベントに出向いて出店し、木工作品の販売を行っているが、新型コロナウイルスの影響でイベントが軒並み中止。催事場で出店することが多い百貨店も休業になり、売り上げに大きな影響が出ている。
アマビエは発売日に3個が売れてまずまずのスタートだったが、栗山さんは「アマビエが売れ続けるということは新型コロナウイルスが流行しているということになるので、早く収束してアマビエが売れなくなってくれるのがいちばんうれしい」と複雑だった。
購入などの問い合わせは同社(電話:0256-33-3375、メール:tsubogen@ginzado.ne.jp)へ。