金属加工の地場産業集積地として知られる新潟県・燕三条地域で「鉄の味」がする鉄粉を使ったアイスクリーム、その名も「燕三条鉄アイス」(税込み400円)が誕生。24日に発売する。
ミルクベースのカップ入りアイスクリーム。ふたを明けると表面に鉄粉がふるってあり、黒くなっている。食べてしばらく立つと鉄の香りが鼻の中にうっすらと広がる。金属でも金箔(きんぱく)を使った食品は多いが、鉄となると極めて珍しい。
さらに竹炭も配合し、シャリシャリとした食感も楽しめる唯一無二のアイスクリームだ。カップのふたには三条市の作業工具や燕市の洋食器のイラストをデザインして、燕三条地域をアピールしている。
この「燕三条鉄アイス」を企画販売するのは、園芸資材のネット販売で急成長を続ける株式会社プラスワイズ(中川勇太代表・三条市柳川新田)。その地域、農業、食品を応援するブランド「ChillFull-ちるふる-」で、ブランドでは初めてゼロから企画したオリジナル商品だ。
インターン学生と地域の企業の「コロナ禍後にいち早く元気を取り戻してほしい」という熱い思いで企画が始まり、芳賀聡常務取締役がチームリーダーとなり、主に学生団体「新潟ベース」が企画、農産物直売所「ただいまーと」(三条市福島新田)内のジェラート店「ジェラテリア ココ」が製造する。
19日、芳賀常務らが滝沢亮三条市長を表敬訪問し、「燕三条 工場の祭典」などで、ものづくりのまちとして注目を集める燕三条地域に観光客を取り戻すきっかけにしたいと話した。試食した滝沢市長は最初は鉄の味を感じなかったが、しばらくたってから「きました、きました!」と感じて感激。「上越新幹線の車内販売でいけるくらいになれば」と期待し、芳賀常務も「わたしもそれをねらっていきたい」と話した。また、燕市のアイスクリーム用スプーンとのセット販売も提案していた。
芳賀常務は「三条には食品もおいしいものがたくさんあり、金物と食の架け橋になるような食品が作りたかった」、「インパクトのある商品で県外の方に興味をもってもらって三条に来てもらったり、三条を調べてもらったりしてほしい」と思いを話していた。
当面は「ジェラテリア ココ」だけでの販売だが、ネットなどにも拡大したい考え。ふるさと納税の返礼品にという話も出ていた。