新潟県燕市の燕商工会議所青年部(鈴木康仁会長・会員120人)は、初めて「燕市をよりよい街にするための未来への政策提言書」をまとめ、22日、鈴木力燕市長に提出し、青年部の思いの実現を託した。
燕商工会議所青年部は、2018年に政策提言委員会を発足。翌19年に日本商工会議所青年部が主催する、国を良くしようと考える 国家公務員と国や地域を良くしようと行動する青年部メンバーとの情報交換の場「風会議」を燕市で開いた。
燕独自で風会議を開きたいと同じ燕市内にある吉田商工会と分水商工会の青年部と共同開催を検討し、昨年2月の開催を計画した。しかし新型コロナウイルス感染防止のため開催を延期し、代わりにプレ燕版風会議として燕商工会議所青年部だけで開催した。
昨年8月に燕版風会議をオンラインと対面のハイブリッド型で開催。政策提言委員会で政策提言をまとめ、協議などをへて感染症がなければもっと早い予定だったが、この3月になってようやく承認され、鈴木市長への提出となった。
提言は大きく分けて3つ。「官民を交えたディスカッションの継続的な開催」、「人々が働きたいと思える魅力的な企業を増やすための官民協力体制の構築」、「官民一体となった教育の推進」。
具体的には燕版風会議の定期開催や燕市と青年部の交流、燕市独自の優良企業・推進企業の認定制度創設、工場の身だしなみ整備補助金の創設、ひとり親家庭のや障がい者雇用促進の燕市独自の助成金創設、工業団地の福祉施設の環境整備、新たな官民連携のキャリア教育システムの構築、学生や子どもを講師とした企業向けプレゼンの開催など、ユニークなアイデアが並ぶ。さらに追加提案のアイデア集も加え、A4判21ページにまとめた。
鈴木会長や政策提言委員会の佐野哲郎委員長らメンバー6人が市役所を訪れ、鈴木会長から鈴木市長に提言書を手渡した。佐野委員長は、「第一の提言としてディスカッションを継続し、意見交換をさせてほしい。燕商工会議所青年部として、いち経営者として人々が働きやすいと思う企業を増やして燕市に貢献したい」、「教育で新しいキャリアアップの形などで今後、協力をできたらと提案した」と提言の骨子を話した。
鈴木市長は「その時々で重要なテーマは変わってくるので、1回提言したから終わりではなく、世の中の流れや新しい動きを踏まえて、どうしていったらいいかを意見交換する、そういう場ができてることが大切と思う」と継続を要望した。
さらに「政策提言を検討しますと言われて私も行ったときに、あれやってください、これやってくださいという陳情、おねだりでは意味がないよと。自分たちが主体的に行動することを考えてもらいたと言った」と振り返り、鈴木会長は「それはもう、ずっと皆さんの話を聞いて行動させてもらっているので、今回の提言書もただの提案ではなくて、ちゃんと一緒に動いていきましょうという形になっている」と答えた。
提言書の取り組みについて鈴木市長は、「頼もしい。やっぱり燕は常にいろんな経済状況が危機に見舞われても、それを乗り越えてきた。常に変革しながら長く継続する、変革と継続みたいなところがある。変革していくには若い世代んの力が牽引力になるので、コロナ禍でこんな提言が出てきたのはある意味、危機を越えて新しい燕をつくるというひとつの流れができそうで、すごく期待をしている」と喜んだ。
その後、提言書にざっと目を通した鈴木市長はメンバーに「なかなかいーんじゃない?」と声をかけ、内容に高評価だった。