新潟県燕市は間もなく移転オープンする新印青果西部卸売市場を中心に大規模な開発が進む吉田南地区にぎわい広場の防災協議会と29日、災害時の支援協力で協定を締結。災害発生時やそのおそれがあるときに救援物資の提供と協議会の施設、敷地を有効活用した被災者の応援救済に関する防災活動で協力する。
協議会は新印青果西部卸売市場をはじめ、新潟中央青果(株)、新潟西部水産(株)、新印食品(株)、ウエルシア薬局(株)、協栄信用組合、(株)人力舎、(株)高野不動産販の8社で構成する。
約8.7ヘクタールの敷地に7月10日オープンの卸売市場、すでにオープンしているウエルシア薬局と複合商業施設「ネクスト・ジェネレーション・タウン」、これから協栄信用組合店舗、宅地や商業区域の分譲などが進む。
自然堤防にあるため土地が高く、ハザードマップでは大河津分水路が破堤しても浸水しない。加えて内水対策として卸売市場の1,325トンをはじめウエルシア、ネクスト・ジェネレーション・タウン、商業地、住宅地の下に合わせて4,068トンもの水を貯められる地下貯留式の調整池を備えている。
項目 | 貯留量 |
---|---|
新印西武卸売市場 | 1,325トン |
ウエルシア | 358トン |
ネクスト・ジェネレーション・タウン | 179トン |
商業地 | 851トン |
住宅地 | 1,355トン |
合計 | 4,068トン |
調整池に水が流れ込むように計算し、敷地が緩やかに湾曲している。また、線状降水帯などの猛烈な雨を想定し、配管の直径や側溝の幅を当初計画より拡大。さらにとなりには吉田みなみ親水公園があり、さらにとなりには指定避難所の吉田南小学校もあり、災害拠点としてはこれ以上ないというほどの環境と言える。
防災の取り組みは燕市が提案して協議を進めるなかで、地元の西太田自治会の防災意識が高まり、来年1月には西太田地区自主防災組織が発足を予定するなど、思わぬ効果をもたらしている。
29日は市役所で協定の締結式を行い、鈴木力市長と吉田南地区にぎわい広場防災協議会代表の新印青果西部卸売市場・渡辺晃社長が協定書に調印した。鈴木市長はハザードマップでは燕市のほとんど全域が浸水するが、吉田南地区にぎわい広場は浸水せず、「いざ災害というときにこれほど心強いことはない」と協定締結とこれまでの取り組みに感謝した。
渡辺社長は「災害が起きたら燕市長の指示のもと協議会メンバーが連絡をとりながら一致団結していち早く救済活動、救援物資の置き場といろいろなジャンルで協力できる。各構成企業が得意の分野をそれぞれもっており、これらを活用してこのエリアの防災拠点として役割を果たしたい」と述べた。