新潟県田上町の特産のタケノコを使ったポテトチップスならぬ「たけのこちっぷす」が完成した。小学生のアイデアを採用したもので、2月1日から「道の駅たがみ」(馬場大輔駅長)で1個350円で100個限定で販売する。
道の駅がたがみが、メンマ製造のために田上の竹林で採取して塩漬けしておいたタケノコを使う。12時間以上、塩抜きしてピーラーで薄くスライスし、170度の油で揚げる。好みで塩を振って完成。厚過ぎず薄過ぎずで、固くなくサクサクした食感が残る厚さをねらった。
「たのこのちっぷす」は、昨年4月から6月まで田上町に限らず小学生から大学生を対象にタケやタケノコをテーマにした地域から愛されるおやつ、菓子、スイーツのアイデアを募集した「たがみバンブーおやつ大作戦」から生まれた。
56件の応募があり、昨年7月に道の駅たがみの馬場駅長やデザイン事務所、田上町商工会、フードコーディネーターの4者でワクワク感や田上町らしさ、実現可能性、既視感の有無などを基準に審査した。
審査の結果、羽生田小学校5年木村天音(あまね)さん(11)が応募した「竹の子チップス」を最優秀賞に決め、商品化した。
30日、道の駅たがみで表彰式を行い、馬場駅長から天音さんに賞状や副賞を手渡した。天音さんはカフェ「山cafe一歩」(田上町川船河)のオーナーシェフ木村一馬さん(38)の子ども4人きょうだいの長女。家族会議を開いてアイデアをひねり出した。
最優秀賞作品はもちろん天音さんのアイデアだ。一馬さんも「おとなからはなかなか出てこないアイデア」と自由な発想に脱帽。試食して「おやつにもつまみにもなる」と完成度の高さに店でも提供したいと考えている。
子どもにアイデアをもらって新作メニューを追加することもある。タケノコを使ったワッフルもメニューにあり、子どもたちが店の開発スタッフの一員だ。
天音さんは「自分で考えたのが最優秀賞になってうれしい」と喜んだ。自分のアイデアから生まれたたけのことちっぷすを試食して「パリパリしてて食べたことがない」と大満足。塩味だけでなく「いろんな味があったらいいかも」と次なるアイデアが止まらない。
新潟県は令和4年度から新潟県地域づくりサポートチームの事業で竹あかりイベント「たがみバンブーブー」をはじめ田上町の地域主体の取り組みを支援している。
今年度は最終年度で、表彰式に同席した渋谷美浩三条地域振興局長は一連の田上町の取り組みについて「この地域になくてはならない取り組みになっている。地域の活性化の核となることを期待する」と話した。
最優秀賞のほかにも優秀賞10点を決めた。馬場駅長は「見ているだけでわくわくするアイデアがたくさんそろった。そのなかでも天音さんの作品は、審査員のみんなが満票で入れた素晴らしい作品」と喜んだ。問い合わせは道の駅たがみ(0256-47-0661)へ。