新潟県燕市で1日、春を呼ぶ「越後つばめの天神講菓子展」が始まった。市内外の7会場で燕伝統の天神講菓子の展示販売などが行われている。
学問の神とされる菅原道真の命日、2月25日に道真の掛け軸や置き物を飾って子どもたちの健やかな成長や学業成就を願う「天神講」と呼ばれる風習が全国各地に残っている
燕市内の菓子店では、全国的もまれな道真や縁起物をかたどった菓子を作って販売し、それを供えて食べることで願いがかなうといった習慣が受け継がれている。
加えて燕地区はあんを入れて固めた粉菓子、分水地区と吉田地区は溶かした砂糖を木型に流し込んで固めた金花糖と、地域で製造される天神講菓子の種類が異なるのも興味深い。生菓子のバリエーションもある。
天神講菓子を燕の名物にして売り出そうと、鈴木力燕市長の発案で2011年から展示講菓子のPRに取り組んでおり、天神講菓子展は毎年恒例。そのかいあって忘れ去られつつある風習だったが、今では市内では誰もが知る年中行事のひとつになっている。
天神講菓子の展示販売が基本だが、会期や内容は会場によって異なる。「無印良品 燕」は展示販売はなく、2月8日午前10時半からオリジナルキャンドル作り体験だけ行う。ほかに展示以外では「道の駅 SORAIRO 国上」が2月15日午前11時から天神講菓子色付け体験を行う。
初日1日の「道の駅 SORAIRO 国上」は、チョコレートやサブレも含め、天神講菓子が約30点。大半が1,000円以下と合格祈願のプレゼントに手ごろで、午前中から商品を追加展示しなければならないほど売れ行きは好調だった。
天神講菓子を買った人には、デビューしたばかりの燕市の新たな公式キャラクター「桜咲(さくらざき)ユメ」のステッカーを燕市のマンホールカードと一緒にプレゼントしている。マンホールは落ちない、滑らないからと、マンホールカードは合格祈願の縁起物として喜ばれている。
天神講菓子以外にも道真ののれん、合格祈願米、合格祈願ごまもち、合格にぎり飯の素なども販売している。
「道の駅 燕三条地場産センター」では、天神講菓子十数点を販売。犬をかたどった粉菓子の木型も展示して製造のプロセスも紹介している。
また、協同組合燕市商店街連合会(電話:0256-63-4116)では、7日から23日まで参加店による売り出し「天神講まつり」を行う。越後つばめの天神講菓子展の実施内容は次の通り。
会場 | 内容 |
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道の駅 SORAIRO 国上 | 2月1日〜25日 ※1月7日〜31日は合格祈願フェアも開催 2月15日11時〜天神講菓子色付体験実施 |
燕市産業史料館 | 2月1日午前9時30分〜 天神講菓子色付け体験(ワークショップのみ) |
道の駅 燕三条地場産業振興センター | 2月1日〜25日 天神講菓子の販売のみ |
燕三条 Wing(JR 燕三条駅2階) | |
新潟市岩室観光施設「いわむろや」 | |
道の駅 庭園の郷 保内 | 2月1日〜24日 天神講菓子の販売のみ |
無印良品 燕 | 2月8日午前10時30分〜オリジナルキャンドル作り体験 |