新潟県三条市の美術家を会員とする三条美術協会(池浦倫之理事長・会員74人)は、8日開いた総会で版画部門の新設と、版画部門の副理事長に昨年の芸展で県知事賞を受けた県展運営委員で銅版画家の鶴巻貴子さん(46)、理事に元中学校美術教員の山田俊彦さん(77)の選任を決めた。
新潟県美術展には以前から日本画、洋画、版画、彫刻、工芸、書道、写真の7部門あったが、これまで三条市美術展(市展)はそのうち版画を除く6部門とし、版画は洋画に含んでいた。三条美術協会も同様に同じ6部門の作家、愛好家を構成作家と規定していた。
しかし、版画は洋画に比べて作品が小さく、市展で洋画と作品が並ぶのに違和感があり、出品をためる人もいるのではと、版画部門の新設を要望する声があったため、多様性の観点からも昨年の市展で版画部門が新たに設けられて7部門となった。
その流れで三条美術協会も版画部門を新設することに。部門ごとに副理事長と理事を置いており、版画部門でも1人ずつ理事と副理事を新任。版画部門の新設に伴う会則の変更とともに総会で承認した。
池浦理事長はあいさつで昨年を振り返り、公募展の活躍を称賛。高齢などを理由に9人が退会したが、版画6人をはじめ新たに9人が入会したことで「私が理事長になって初めて会員数が減らない」と喜び、「三条市の文化、芸術を振興するフロントランナーとしての役割をこれからもしっかりと果たしていきたい」と述べた。