16日まで「ほまれあ」で「図説甲骨文」甲骨文字展示会 中国駐新潟総領事館の馮淳副総領事が出席して開幕式 (2025.2.10)

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中国駐新潟総領事館(崔為磊総領事・新潟市中央区)主催の「図説甲骨文」甲骨文字展示会が1日(土)から16日(日)まで三条市歴史民俗産業資料館別館「ほまれあ」で開かれ、漢字の原型とされる甲骨文字を紹介するパネルが展示されている。9日は中国駐新潟総領事館の馮淳(ひょうじゅん)副総領事が会場を訪れて開幕式が行われた。

開幕式出席者らで記念撮影
開幕式出席者らで記念撮影

昨年11月に三条市諸橋轍次記念館で開かれた中日友好漢字文化大会に展示したパネルを「ほまれあ」に移して展示

昨年11月、中国駐新潟総領事館と三条市主催の中日友好漢字文化大会が三条市諸橋轍次記念館で開かれた。その会場に甲骨文字を紹介するパネルが展示された。

より広く市民から甲骨文字を知って、理解を深めてもらおうと、あらためて三条市の中心地にある「ほまれあ」に会場を移して甲骨文字展示会として開いている。

展示しているパネルはB1判くらいの大きさで、20枚余り。日甲骨文字が発見された河南省安陽市(こうなんしょうあんようし)にある安陽市博物館が作成したもので、日本語と中国語で表記されている。

甲骨文字の成り立ちの解説
甲骨文字の成り立ちの解説

動物の骨やカメの甲羅に刻まれた甲骨文字は、漢字の原型として日本でも良く知られる。古くからずっと知られているものと思っている人が多いだろうが、実は1899年に河南省安陽市(こうなんしょうあんようし)で王栄氏が「龍骨」と称される漢方薬材料に刻まれた謎の記号を発見したことに始まる。まだ125年ほどしかたっていないことからパネルは始まる。

甲骨文字は、中国初期の文字資料として5000年に及ぶ中華文明の「ゲノム」として位置づけられ、2017年にはユネスコの世界記憶遺産に登録された。安陽市北西の遺跡「殷墟(いんきょ)」には約15万枚の甲骨と5000種類以上の甲骨文字が出土。そのうち約1000字が解読され、政治、経済、軍事、文化、自然科学など多岐にわたる商代の社会状況を伝える。

占いに使われたと思われる甲骨の背面にある穴と焼いた痕跡
占いに使われたと思われる甲骨の背面にある穴と焼いた痕跡

発見後、甲骨文字が史書『史記』などに記された商王朝の実在を裏付ける重要資料であることが示され、商王朝は前16世紀頃から前1046年まで約500年にわたって中国を統治し、その歴史と文化は甲骨文を通じて今日に伝わっている。

河南省安陽市

1928年に殷墟の大規模な発掘が始まり、36年の発掘では、殷朝の第22代王、武丁(ぶてい)時期の完全な形の甲骨が数多く出土し、甲骨文字研究の礎が築かれた。新中国成立後は、中国科学院考古研究所などが発掘を引き継ぎ、考古代中華文明の全貌解明に大きく寄与している。

甲骨文字は、商代の占いに用いられ、使用前に厳格な加工が施された亀甲や牛骨に記された。ト辞(ぼくじ)と呼ばれる占い記録には、占いの実施日時、担当者、質問内容、予言結果などが左右対称に刻まれ、後の六書(象形、指事、会意、形声、転注、仮借)の文字形成法の原型となった。

滝沢市長にパネルを解説する馮淳副総領
滝沢市長にパネルを解説する馮淳副総領

こうした古代の記録方法は、現代の漢字発展の基礎となるとともに、商代文字として成熟した体系を示している。

近年、習近平総書記が甲骨文をはじめとする古代文字研究の重要性を指摘したことを受け、ビッグデータやクラウドプラットフォームを活用した甲骨文解釈プロジェクトが国家レベルで推進されている。

さらに、安陽市では甲骨文書庫の整備、甲骨文ラジオ体操の普及、甲骨文を取り入れた教育施設の設立など、甲骨文を現代文化の一部として活用する取り組みが展開され、市民の生活に深く根付いている。

開幕式
開幕式

2024年は甲骨文発見125周年にあたり、商代文字の継続的な発見と研究は、古代文明の再構築と伝統文化の継承に寄与しており、今後も中日両国の相互理解と友好協力の架け橋として、漢字文化のさらなる発展が期待されている。

中国製生成AI「ディープシーク」は漢字に基づく学習で漢字文化圏の国々をリード

開幕式のあいさつで馮淳副総領事は、安価なランニングコストと高い解像精度で世界を驚かせた中国企業が開発したAIモデル「ディープシーク」の特徴は、ある専門家の分析よると、基本的に漢字に基づいて学習していることと紹介した。

馮淳副総領
馮淳副総領

「ディープシーク」が新たなAI技術革命の波のなかで、漢字文化圏の国々をリードし、さらに大きなこの成果を収め、人類の未来の発展における方向を指し示すと信じている」。

中国と日本は東アジア文明を代表する重要な国で、ともに漢字文明漢字文化を研究し、力を注いていくべき。昨年12月は中国と日本の外相が第2回中日ハイレベル人的文化交流対話で10項目の共通認識を達成した。

「このことは、双方が漢字を手足掛りに文化交流の協力を進めるうえでのいいチャンスと思う。三条市は日本の有名な漢学の里。このチャンスをとらえ、漢字と漢学を通じて中国との交流と協力を深めていくと私は信じている。総領事館とともに、それは時間とともに、皆さんとともに努力してまいりたい」と願った。

滝沢亮三条市長
滝沢亮三条市長

「今回の展覧会を通じ双方のきずなを強化し、三条市の中国での知名度を上げ、双方の民間友好交流を促進し、中国と日本の関係の改善と発展に貢献したい」と述べた。

三条市の滝沢亮市長は、「中日友好漢字文化大会に続いてこのようなイベントも同じ三条市の施設で開催していただき、三条市と中国の相互の共通理解と友好がより深まっていくと思う」と期待した。

三条市国際交流協会の高波久雄会長
三条市国際交流協会の高波久雄会長

三条市国際交流協会の高波久雄会長は、書をたしなむので甲骨文字に対する関心が高く、中国にある世界遺産のほとんど見てきたと話し、「ぜひ安陽市にある甲骨文の小学校に行って、いろいろ勉強したい」と述べた。

三条市歴史民俗産業資料館別館「ほまれあ」
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