新潟県燕市のコンビニ店「セブン-イレブン燕桜町店」で12日、強盗抑止訓練など防犯訓練が行われた。燕市内のセブン-イレブン店舗に加え、ローソンとファミリーマートも参加した。ことし1月は新発田市、西蒲区、上越市と立て続けに県内で3件ものコンビニ強盗が発生する異常事態だった。いずれも犯人は検挙されているとはいえ、危機感が高まっているなかでの訓練となった。
商売はライバルでも防犯は力を合わせて取り組もうと、セブン-イレブン・ジャパンではほかのコンビニチェーンにも声をかけた防犯訓練にも積極的に取り組んでいる。2023年11月にも三条市・セブン-イレブン三条西裏館店で同様の防犯訓練を行っている。
今回は燕市内のセブン-イレブン15店舗の18人とローソン3人、ファミリーマート5人のほか、燕署、燕市役所、防犯ボランティア団体員ら50人が余りが参加して強盗抑止訓練、特殊詐欺防止訓練、認知症高齢者への声かけ訓練を行った。
強盗抑止訓練は、目出し帽をかぶった強盗犯が従業員をナイフで脅して現金3万円とたばこ10箱ほどを奪って逃走した。特殊詐欺防止訓練はサイト利用料名目の詐欺で10万円分の電子マネーを購入しようとした人を思いとどまらせた。認知症高齢者への声かけ訓練では、店内をうろついていた認知症高齢者に声をかけてイートインコーナーに誘導して話を聞いた。
それぞれ訓練とあわせてセブン-イレブン総務法務本部総合渉外部新潟・北陸ゾーン渉外担当の渋谷勝さんが訓練のポイントや従業員はどう対応すべきかなどを話した。
強盗抑止訓練でカウンター内で強盗犯役に対応した従業員は「圧がすごくて、いつも強盗が来たらどうしようかとか考えているが、実際にやられてみると全然、行動ができなかった。身長や服装はあるていど覚えていたが、しっかり把握できていなかったので今後に生かしたい」と反省し、教訓を得た。
渋谷さんは「基本的に命が最優先なので、金や商品を取られてしまっても構わない。皆さんがけがなく、命を保持していただくのがいちばん」と対応の基本的な考え方を話した。
さらに特殊詐欺防止訓練については実際にだまし取られた人の話を聞いたことがある。だまし取られたことで家族からはのけ者にされ、散々な目に遭って引きこもってるような状態になったという話も聞き、「この人のその後の人生も守ってあげてるんだぐらいな感覚で止めてもらえれば」と求めた。
セブン-イレブン長岡地区ディストリクトマネジャーの田口久司さんは「小売りチェーン全店がセーフティーステーションとして、連携してこれからもやっていければ」、「あらためてこういったことが起こらない店づくりこれをやっていくべきと思う」と話した。
燕署の齋藤直史生活安全課長は講評で、強盗抑止訓練は「犯人の逃走手段と逃走方向、最低限そこだけは覚えて通報してほしい」、特殊詐欺防止訓練は「警察から強く言われてるということを前面に出してほしい」、認知症高齢者への声かけは「極力、リラックスできるような場所か、なるべく人目のつかない場所に移動して落ち着いて話をしていただくのが重要」とアドバイスした。
また、県外のコンビニ店で電子マネーのカードのシステムが変わるなどと夜中に電話をかけてきて、手続きが必要だからと電子マネーの番号を聞き出そうとする手口の被害が出ていることから参加したコンビニ店従業員にも注意を呼びかけた。