4月13日(日)に新潟県燕市分水地区で行われる第80回分水おいらん道中の主役となるおいらん役が、長谷川瑞姫さん(25)=燕市=、星野真衣さん(28)=東京都=、佐藤千幸さん(27)=三条市=の3人に決まった。
一般社団法人燕市観光協会つばめ桜まつり実行委員会(山崎悦次委員長)の主催で毎年開かれている名物行事。3人のおいらん役が行列を従えて大河津分水桜並木と地蔵堂本町通りを典雅に練り歩き、県外からも見物客を集める。
おいらん役に選ばれた長谷川さんは、地元分水地区の出身。仕事で4年間、北海道で暮らした。昨夏、ふるさとへ戻り動物病院で働いている。
子どものころからおいらん道中に舞妓(まいこ)として参加した。「おいらんが輝いて見えて感動して、自分もいつかやるぞという気持ちがあった」。ずっとおいらん役にあこがれていた。
おいらん役に決まって「もうやるでしょう、やらない意味ないよね、みたいな感じで圧をかけられていたので、今はほっとしいる」とにっこり。
「私があこがれたおいらんのように、あこがれてもらえるような、すてきだなと思ってもらえるようなおいらん役を演じられるように頑張る」と話した。
星野さんは三条市出身。20歳のころに上京し、フリーターのかたわら役者も続ける。「東京で役者をしているが、いつか新潟にかかわりたいなと思っていたときに、おいらん道中の応募用紙を見て、一度はやりたいと思ったもののちょっと勇気が出ず、時が流れた」。
しかし、祖父と姉と分水桜並木をドライブしたときに「祖父がここで毎年、おいらん道中やっててねと。その一言でこれ絶対に受けなきゃいけない」と思い立って応募した。
「選んでいただいたからには、自分の出せる力を精一杯、出していきたい」、「新潟に感謝の意を込め、参加したい」と意気込む。
燕市での2年間は「近所の皆さんから毎日、明るくあいさつしていただいたり、雪かきのときには一緒に手伝ってくれたり、非常に世話になった記憶がある。そういった方々に恩返しできるように、このイベントを盛り上げるという形で役に立てればと応募した」。
合格は「いつも近くで支えていてくれている主人にまずは伝えたい」。「責任ある役を任せていただいたので当日もしっかりと役目を果たせるように一生懸命、練習会に参加させていただきたい」、「世話になった燕市の皆さんに感謝の気持ちを伝えられるように精一杯、頑張りたい」と力を込めた。
このあと3回の練習でおいらん独特の外八文字と呼ばれる歩き方をけいこする。分水太夫、信濃太夫、桜太夫の配役は練習を行って決める。