学問の神と伝わる菅原道真の命日の25日、新潟県燕市の公立保育園とこども園13園では、菅原道真の掛け軸を飾り、園児が描いた絵と一緒に菓子を供えて学業成就を願う「天神講」を行った。
菅原道真の掛け軸を飾って学業成就を願う天神講は各地に点在して伝承されている。燕市ではそれと合わせて菅原道真や縁起物をかたどった菓子が菓子店で製造され、その菓子も供える習慣がある。
しかも菓子の種類が、燕地区は粉菓子、吉田地区と分水地区は金花糖に分かれているいるのもおもしろい。そのユニークな天神講菓子を燕市の名物にして子どもたちの郷土愛を育み、燕市をPRしようと、鈴木力市長の発案で2011年から廃れつつあった天神講の再興に取り組んでいる。
そのひとつが保育園やこども園での天神講の実施。菅原道真の掛け軸のある施設もあったが、なかった施設には購入して毎年、市内各施設で命日に天神講を行っている。
小高保育園(井口好江園長・園児67人)の天神講は、遊戯室のステージに掛け軸を下げた。その前に天神講菓子、燕市が配布している菅原道真の塗り絵に年長児と年中児が色を塗った作品、園児がふだん使っているノートや自由画帳を供えた。
集まった園児に保育士が天神講の意味を説明したあと、園児は掛け軸に向かって手を合わせてこれから頑張りたいことを頭に思い描きながら手を合わせたり、柏手を打ったりして祈った。
そのあと年長児17人は遊戯室で掛け軸に描かれている菅原道真を絵の具で描いたあと、一口サイズに小さく切り分けた天神講菓子を3片ずつ食べ、ほかの園児も各保育室で味わった。
お絵かきに「あー、むずいむずい」、「なにがかいてあるのかわからない」と四苦八苦しながらも熱中し、ごほうび代わりの天神講菓子を「いただきます!」。「一気に食べた」、「お代わりほしい」と食べたりなさそうだった。