新潟デザイン専門学校(加藤一人学校長・新潟市中央区)の生徒が「道の駅 庭園の郷 保内」(三条市下保内)の菓子のオリジナル新商品4種のパッケージをデザインした。産学連携事業の一環で取り組んだもので26日、三条市役所を訪問して滝沢亮市長にその完成報告を行った。
新商品は「豆焼かりんとう(プレーン味、みそ味、チョコ味)」、「カリット(大学いも蜜味、チョコ蜜味)」、「よりみチップス」、「五葉松クッキー缶(プレーン味、抹茶味、木苺(キイチゴ)味)」の4種。
昨年夏からそれぞれの商品のパッケージデザインのコンペを行った。68人の生徒が応募し、昨年12月に道の駅が審査して2年生4人の作品の採用を決めた。
「豆焼かりんとう(プレーン味、みそ味、チョコ味)」 は県産大豆のおからで作ったヘルシー菓子。ノンフライで焼き上げ、ザクザクとした軽い食感に仕上げた。
もともと十日町市の店舗の商品で、これまでも保内でも販売していたが、それをOEMとして展開する。
この紙や容器までデザインした丁田晴花(ちょうだ はるか)さん(20)は長野県出身。「こういったコンペに採用されるのが初めてで、実際に商品にもなって、人の手にも渡るっていうのがすごくうれしい。地元は新潟じゃないので、新潟に来たときにまた寄って買いたい」と専門学校の生活の最後の記念にもなった。
「カリット(大学いも蜜味、チョコ蜜味)」は、サツマイモペーストとゴマを練り込んだ生地を揚げ、 仕上げに蜜を絡めて大学いものような味わいに仕上げた「大学いも蜜味」 と、チョコペーストとココアパウダーを練り込んだ生地を揚げ、チョコ蜜を絡めた 「チョコ蜜味」の薄型かりんとうチップスにした。
元は岩手県の千葉恵製菓の「かわらけかりんとう」。保内でも販売して人気商品で、OEM供給してもらう。
「カリット」のネーミングも含めて加藤瑚羽紅(かとう こはく)さん(20)がデザインした。「試食したときにかりんとうっぽくなくて、その食感を表現したくて、商品名も文字もカリッと感が伝わるようにしたのがポイント」。「この商品がいろんな人の手に届いていくといいなと思う」と想像してにっこり。
「よりみチップス」は、サツマイモ「紅はるか」を米油でじっくり揚げたチップス。素材の甘さを生かすため、天然塩だけのシンプルに味付けした。さらっと軽い風味でくせがなく、飽きない味わいにした。
採用されたのは片野ひなたさん(20)。三条市の木のゴヨウマツをモチーフにしたマスコットキャラクター、ゴヨウマツの妖精「よりちゃん」が目をひく。「今回のコンペで採用されるように意気込んで気合いを入れてつくっていたので、それが形になってすごくうれしい」と大満足。「シリーズ化するということで、キャラクターがあった方が今後、はやるかなと思って制作した」とねらいを話した。
「五葉松クッキー缶(プレーン味、抹茶味、木苺味)」 は、2023年から道の駅で販売しているオリジナル商品「五葉松クッキー」のクッキー缶。従来のプレーン味、 抹茶味に加え、三条市の菓子店と相談して木苺味が新しく登場する。報告会には欠席したが、窪田柚葉(くぼた ゆずは)さん(20)さんがふたにリズミカルに並ぶゴヨウマツの葉などをデザインしたおしゃれなパッケージだ。
それぞれの商品を試食した滝沢市長は「皆さんがデザインしたパッケージのおかげで、よりおいしさが増している。素晴らしいお菓子、素晴らしいデザインでこれからも協力をお願いしたい」と感謝した。
道の駅の指定管理者の株式会社テレコムベイシス(南魚沼市)が発行する道の駅関係のフリーペーパーで一部のページを新潟デザイン専門学校の生徒に委託したことがある。そんなつながりから新商品のパッケージのデザインを委託した。
販売価格はこれから決める。「五葉松クッキー缶」は4月、それ以外は3月中に販売開始予定。テレコムベイシスの渡邊貴大統括バイヤーは「新年度から大型連休にかけて道の駅も混雑するので、一気に販売していこうと思っている。せっかくデザイン専門学校さんに企画いただいたので、新潟市内の店舗にも相談して卸してみようと思っている」と道の駅の外での販売も目指している。
新潟デザイン専門学校グラフィックデザイン科の笠原雅人学科長は「自分のデザインがそのまま商品化されるのは学生にとってもすごく貴重な機会になっている。実際に企業の人に来校してもらって授業で説明してもらったり、企業の人とふれあいながら制作を進めていく、本当の仕事と同じ流れを体験できた」と喜んだ。