アイルランドにキリスト教を広めたセントパトリックの命日、3月17日のセントパトリックデーにちなんだイベント「アイリッシュまんまるしぇ」が16日、新潟県燕市の宮町商店街で初めて開かれる。飲食やダンス、音楽でアイルランドの文化にふれることができる1日になる。
セントパトリックの功績をたたえ、アイルランドの伝統文化を祝うのがセントパトリックデー。アイルランドでは3枚の葉を「三位一体」に表しているとしてクローバーや緑色を身に着け、ミサやパレードが行われる。
キリスト教が広がる欧米各国でも祝祭日としてパレードが行われる。日本でも東京・原宿の表参道で大規模なパレードやイベントをが行われるようになり、広がりを見せている。
宮町のセントパトリックデーは、アイルランドの文化を取り入れたイベントを企画。午前11時から午後3時まで開かれる。
県内からアイリッシュ音楽の演奏やタップダンスのワークショップ、アイルランド伝統グルメや黒ビール、ご当地スイーツなどがやって来る。できるだけ緑の服やアイテムを見に着けて宮町をアイルランドのシンボルカラーの緑に染める。
ステージイベントは、アコーディオン奏者の田中トシユキさんとダンス教室SUNDAYのアイリッシュ音楽とダンス、アイルランド伝統のタップダンス、アイルランド人の夫と新潟人の夫婦「ちずこさん&クリスチャン」のトークショー。
アトリエツイルがグリーンをベースにしたフェイスペイント、会場で隠したアイルランドの妖精「レプラコーン」を探してガチャポンに挑戦できる宝物さがし、ハーヴェストがグリーンや花の雑貨を販売する。
飲食はアイリッシュグルメのジャケットポテト、アイリッシュビール、アイリッシュスイーツなどが味わえる。
「まんまるしぇ」は、フリーランスカメラマンの帰山芳文さん(38)とドライフラワーの小さな花屋「Tette(テッテ)」を経営する水沼いすずさん(31)の2人が主催する。宮町商店街を中心に2人が好きな物、好きな人を集めたマルシェをと2020年8月から開催。最近は年2回のペースで開き、今回で15回目になる。
セントパトリックデーにちなむイベントは今回が初めて。アイルランドに住んだことのある水沼さんが発案した。大阪市出身の水沼さんは、バックパッカーとして世界を旅した。やはり英語ができた方が便利なので、旅の途中でアイルランドの語学学校に通った。
学校に通う途中にあった無印良品の店舗があった。そこでレジを担当していたのが、今回のトークショーに出演するちずこさんで、すぐに親しくなった。水沼さんは海外旅行中に知り合った男性の勧めで帰国すると燕市で暮らし、一方でちずこさん夫婦も新潟に移住して新潟で再開を果たすという奇遇もあった。
アイルランドのパブ文化に魅せられた水沼さんは、パブ通いしている演奏家からアイルランドの笛、ティン・ホイッスルを教えてもらって吹けるようにもなった。
水沼さんは「アイルランドの肩ひじ張らずにみんなで音楽だったり、ビール飲みながらわいわい楽しんだりの雰囲気がすごく好きで、それを新潟、この宮町でもやりたいなって思って。わたしのわがままなんですよ」と笑う。
「年齢問わず、ちっちゃい子からねおじいちゃんおばあちゃんとかまで楽しんでもらえる文化だと思うので、それを感じてもらえたらいいと思っています」と来場を待っている。