596人出席で燕市の二十歳つどい　高校生活をマスクで過ごした二十歳で異例の雰囲気に (2025.3.17)

新潟県燕市で16日、燕三条地場産業振興センターで二十歳のつどいが開かれ、二十歳の門出を祝った。ことしの対象者は、新型ウイルスの感染拡大が始まった2020年に高校に入学した世代のためか、例年になく落ち着いた雰囲気で進行した。

燕市二十歳のつどい

前身の成人式から毎年3月の第3日曜に開催。ことしの対象は2004年4月2日から05年4月1日までに生まれた燕市在住か以前に住んでいた762人のうち78.2%の596人が出席。昨年より対象は23人多く、出席は12人多く、出席率は1.5ポイント下回った。

第一部式典、第二部はアトラクションの景品抽選会。式典で鈴木力市長をは2つのことを伝えた。

「二十歳になったことを契機に、おとなとしての自覚と責任をもって自分たちの目の前に起こっていること、世の中で起ころうとしていることに向き合いながら、自分が何をすべきか考え行動していってほしい」。

鈴木市長

もうひとつは「生まれ育ったふるさと燕に誇りと愛着をもちながらしっかりとした自分自身の夢や目標を持って、いろんなことにチャレンジしてほしい。そして困難に直面したときも、決してあきらめず、むしろピンチをチャンスに生かす発想で乗り越えていってほしい」と述べた。

来賓祝辞で菊田真紀子衆院議員は、帰国している米大リーグの大谷翔平選手の「成功するとか、失敗するとか、僕には関係ない。それをやってみることの方がもっと大事だ」の言葉を引用し、「この言葉を胸に、いろんなことにチャレンジして素晴らしい未来を切り開いてください。そして寂しくなったら、またこの燕に戻ってきて、ふるさとの皆さんとの交流を大切にしていただきたい」。

来賓の菊田衆院議員(左)と国定衆院議員

国定衆院議員は「貪欲に座標軸に点を埋めていく作業をきょうを皮切りに続けていってください。その不断の努力の結果が、皆さまを確実に成長させ、成長した皆さんは確実にこの燕のため、そしてわが国のために貢献できる立派な人材になると確信をしております」とエールを送った。

二十歳の代表で筑波大学1年古沢英虎さん＝燕中出身＝と新潟中央短大を卒業して今春から燕市立保育園に保育士として勤務する金井美咲さん＝吉田中出身＝の2人が二十歳の決意を述べた。

二十歳の決意ぼ金井さん(左)と古沢さん

古沢さんは「日々の積み重ねがある一点を超えたら、ふと振り返ってみると多くの人に恩を返している。そんなおとなになりたいと思います」、金井さんは「この先もたくさんの人の手を借りながら思いやりと感謝の気持ちと遊び心をもった立派なおとなになっていきます」と誓った。

その後、5万円分の旅行券をはじめとした景品が当たる抽選会、中学校別の記念写真撮影が行われた。

ことしの会場のようすは例年と明らかに違った。いつもは開式時刻が迫っても入り口前で出席者が話し込んで会場内に入ろうとせず、関係者が拡声器で会場に入るよう呼びかけて騒々しいが、ことしは開式15分前には全員が会場に入って入り口は閑散とした。

景品抽選会

昨年は出席者が持参した一升瓶やのぼり旗を没収する場面もあったがそれも会務式典の間も私語もなければ席を立つ人もなく、来賓の祝辞のあとは拍手。さらには退場する登壇者を拍手で送るなど、例年のようすを知る人には見違えるようだった。

新型ウイルスの感染拡大とともに高校に入学したことしの二十歳は、高校の3年間をみんながマスクをして過ごし、体育祭の中止など学校行事も大きく制限された。親しい友人以外はマスクを外した顔をほとんど見ていない。

そのためか、会場で久しぶりの再会を果たしても顔を見てすぐに誰かわかる人が少ないようで、例年のような歓声も少なく、感染拡大の影響の大きさを感じさせる二十歳のつどいだった。