新潟県三条市の「二十歳を祝う会」がことしも「春分の日」の20日、燕三条地場産業振興センターで開かれ、二十歳の節目を祝った。対象者937人のうち642人が出席し、出席率は昨年を0.2ポイント上回る68.5%。16日に開かれた燕市の「二十歳のつどい」と同様、例年になく落ち着いた会となった。
滝沢亮市長は式辞で、ことしの二十歳は新型ウイルスの感染拡大のなかで中学校を卒業して高校3年間を過ごし、「そのときの忍耐力が、ガッツがあれば今後どのような苦しいことがあっても、ハードルが目の前にあったとしても乗り越えていける」とエールを送った。
スマートフォンが普及した情報化社会のなかで育って活躍してる人や大成功してる人の情報が簡単に入手できる世の中だが、「焦ることなく、無理することなく自分のペースでこれからも頑張ってもらいたい」。
米大リーグの日本開幕戦に出場している大谷翔平選手にもふれ、「自分なりの目標をもって、それにどのように向かっていけばいいのか、ひとつひとつを自分のなかでしっかりと考えて周りと比べることなく、ちょっと先を行ってる人を見て焦ることなく、自分なりのペースで、自分なりの頑張りで、これから人生を歩んでいってもらえればと思う」と願った。
来賓の森山昭市議会議長は、将棋の藤井聡太七冠の「勝負において大事なのは勝ち負けよりも自分の力を出し切ること」の言葉を贈り、「結果だけに一喜一憂せず、自分がどれだけ努力し、どれだけ成長できたか。これからの人生で全力を尽くすなかで自分自身の成長を楽しんでください」と求めた。
二十歳代表で2人とも三条看護・医療・歯科衛生専門学校看護学科2年の佐藤茉夏さん(20)と野崎夕理さん(20)が「ここで育んだ経験や絆を大切にしながら、私たちもまた三条市に貢献できるおとなになりたい。未来はまだ見えない部分も多いが、地域とともに歩むことで、きっと明るい道を切り開ける」と二十歳の言葉を述べた。
式典のあとは、アトラクションの抽選会までの幕あいのつなぎも兼ねて滝沢市長と、同い年で幼なじみの三条市ふるさとPR大使見習いでもある「よしもと新潟県住みます芸人」の関田将人さんの2人が登壇した。
三条市の公式LINEアカウントのQRコードがプリントされたTシャツを着て登録を呼びかけるとともに、ふたりの二十歳のときの写真を映写して漫才のかけ合いのように楽しませた。
ことしの二十歳は、新型ウイルス感染拡大で高校3年間をマスクを着けて過ごし、学校行事も中止になった。燕市の「二十歳のつどい」も異例の落ち着いた雰囲気だったが、三条市でもやはり同様だった。
昨年は一升瓶やのぼり旗を持ち込もうとする人がいて、一升瓶を玄関前で割って騒ぎになった。しかし、ことしはのぼり旗2本を取り上げたものの、式典中も静かだった。