燕・弥彦の統合浄水場の竣工式 燕市長は式辞で顔を上げて思いを語る (2025.3.24)

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新潟県の燕市内3つ、弥彦村1つの浄水場を統合して分水地区笈ヶ島地内に建設された統合浄水場の竣工式が23日、新施設で行われた。すでに旧浄水場から統合浄水場の配水に切り替えが終わっている。

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統合浄水場竣工式のテープカット

老朽化した耐震性も低い浄水場を統合して運営の効率化とコスト削減を図ろうと、燕市・弥彦村水道事業広域化計画に基づき、統合浄水場等整備事業が行われた。事業費は約178億円で、送配水管整備事業56億円を含めた総事業費は235億円。

燕・弥彦総合事務組合(管理者・鈴木力燕市長)が運営し、鉄骨造2階建てで延べ床面積は約1,200平方メートルの新しい水道局庁舎も建設した。

処理能力は1日当たり最大42,500立方メートルの給水が可能で、約8万2千人分の給水人口を想定。高強度、高耐食性、長寿命の最新鋭のセラミック製の膜ろ過方式を採用したのが特徴。停電対策として電源を2つの変電所から受電する2系統化を図った。

応急水栓から給水タンクに水道水を投入
応急水栓から給水タンクに水道水を投入

竣工式ではテープカットとそれにあわせて応急水栓から給水車に貯水槽の水道水を給水車に給水するセレモニーを行った。

プロジェクトX的な取り組みだった

式辞で鈴木市長は用意した原稿を読んでこれまでの経緯を振り返ったあと、顔を上げて原稿を読まずに話した。平成31年から統合浄水場の配水管の整備が始まったが、「実は平成25年ぐらいからプロジェクトX的な取り組みを進めた」と始めた。

式辞で原稿を読まずに思いを語る鈴木市長
式辞で原稿を読まずに思いを語る鈴木市長

燕市、吉田町、分水町の3市町が2006年に合併して新たな燕市が誕生した。前任の小林清市長から合併はしたものの、市町の水道事業、会計を統一する必要があると言われた。

統一には市民の理解が欠かせないが、それ以上に大きな課題がわかった。水道事業の状況を調べると、老朽化が進行し、修繕も部品調達もままならないことが明らかになった。

合併20年で「同じ釜の飯ではなくて、同じ川の水を飲む」

そこで3施設を統合し新施設を建設し、新しい施設だから料金も値上げして統一しなければならないと、延べ約30回にもわたる住民説明会を開いて市民に統合浄水場の建設と水道料金の値上げに理解を求めた。

国に対しては3つの施設を統合するので、統合に伴う補助金を照会したが、「合併したんだから広域じゃないよねと言われた」。

竣工式
竣工式

それならとなりの弥彦村にも参加してもらって広域化の交付金をと、「前村長が選挙で当選した翌日、いきなり朝、自宅に訪問してお祝いを述べたうえで一緒に水道をやりませんかと呼びかけた」。

そうしたさまざまなハードルを乗り越えて計画ができた。「ついにこの日が来たかと私としては感慨深いものがある。本当に皆さんからいろんな支援をいただいた。心より感謝申し上げる」と述べた。

さらに「いよいよ4月1日からは本浄水場から本格的な水道事業の供給がスタートする。同じ釜の飯ではなくて、同じ川の水を飲む。合併してもうすぐ20年になるが、こんな状況がいよいよスタートする」と心の底からうれしそうに笑顔で話した。

原稿のあるあいさつではアドリブの少ない鈴木市長だが、2010年の市長就任以来、最大と言えるビッグプロジェクトをやりとげた強い思いが言葉にあふれていた。

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