新潟県三条市が設置して学校法人国際総合学園(新潟市中央区)が運営する三条看護・医療・歯科衛生専門学校(白倉政典学校長・三条市上須頃)は5日、隣接する三条市立大学で入学式を行い、99人が入学した。
新入生は、歯科衛生士学科(3年制)39人、看護学科42人(3年生)42人、医療事務学科(2年制)18人、健康医療・情報大学科(4年制)はなかった。
白倉学校長は新入生の入校を許可し、式辞を述べた。中島敦の短編小説「名人伝」を引用し、弓の名手を目指そうと基礎訓練に5年を費やしたおかげでわずか数カ月で名人の域に達した話をひもといた。
それにならって「日進月歩の医療の世界で貢献するために、学生という基礎教育の機関で、しっかりとした学びを通して、知識や技術だけではなく、学ぶ姿勢、新しいものにチャレンジする精神、多くの人との交流を通して将来、皆さんが成長していくための基礎づくりをする大切な時間と思ってほしい」と願った。
そのための心構えやロールモデルを見つける、学校行事以外の行事や活動に参加する、小説や映画にふれることなどを勧め、「来週から新しい学校生活がスタートする。より良い医療人、社会人として地域社会に貢献できる人材になるための成長ストーリーの第1ページを開きましょう」とエールを送った。
新入生代表で医療事務科学科の佐藤亜優さん(18)=三条市=が誓いの言葉を述べた。佐藤さんが医療事務を目指したのは、「幼いころから病院に通うことが多くあり、当時、医療事務の方が優しく笑顔で対応してくださったのがきっかけ」で、「私も多くの患者に寄り添い、安心を与えられる存在になりたいと強く思った」。
妹が入院したときも医療事務や看護師の心優しい対応に感動し、「今度は自分ができる立場になれるように勉学に励みたい」。
同専門学校は、医療事務の知識や教養を学ぶことができ、取得可能な資格の豊富さ、就職活動へのサポートなどの充実に魅力を感じた。「充実した環境のなかで学び、将来は生まれ育った県央地域に貢献できるよう、安心した医療を提供できる一員となりたい」。
「学校を巣立つときには、学んだことすべてと仲間との思い出を胸に強い意志を持ち、夢に向かって活躍する立派な人間になりたい」、「これから始まる学生生活を通じて自覚をもち、仲間と励まし合い、夢の実現に向けて精一杯、努力し、ひとつひとつ成長していくことをここに誓う」と述べた。
来賓祝辞で滝沢亮三条市長は「皆さまならではの若い感性、若い風を吹き込んで、この地域の発展にも貢献していただければうれしい。われわれも皆さんが将来、この地域での社会貢献をしていきたいと思えるまちづくりを私自身もおとなたちもしていかなければならないと感じた」と述べた。
さらに三条市長として同専門学校の構想から設立に尽くした国定勇人衆院議員は「異学習の交流、経験を積むことが大切」と説き、閉ざされている三条市立大学とつながる渡り廊下を開放して市立大生との交流も求め、「学園生活が悔いのない充実したものになることを心から祈念する」と述べた。
目の前にある新潟県央基幹病院の遠藤直人病院長は、1日に600人の外来患者があり、1,000人の職員、450人を超える看護師、20人の事務らがチームを組んで経営に当たっていることを話した。
「ぜひ多くの人と交流して、いろんな人と一緒に手を携えて共同で行うことに努めていただきたい。それが将来の医療の現場での勤務、業務にいい影響を及ぼす」と学校生活でチームワークを学ぶことを求めた。
三条市歯科医師会の渡辺和宏会長は「将来、自分が就くべき医療という職業に向かって、専門的知識と技術を身につけ、さらに人間性を磨きながら、しっかりと目的意識をもって日々、精進していってほしい」と述べた。