越後一宮、弥彦神社の門前に構える旅館「四季の宿みのや」(新潟県弥彦村、代表取締役 白崎純也)は4月8日、館内に「弥彦MONZENカフェ」をオープンした。
創業1701年の「みのや」が、300年以上にわたり大切に育んできた「おもてなしの心」をそのままに弥彦神社の門前に弥彦を訪れる人に心ゆくまでくつろいでもらえる新たな空間を提供する。
「弥彦MONZENカフェ」は大正浪漫をオマージュしたノスタルジックで、どこかモダンな空間。観光で弥彦温泉を訪れる人から地元の人まで、老若男女問わず幅広い世代に心ゆくまでくつろいでもらえる場所を目指す。
建物正面のラウンジをカフェにリニューアルした。内装は大正時代を想起させるノスタルジックな雰囲気をベースに、アンティーク調の家具や温かみのある照明を使って居心地のいい空間に仕上げた。
店内には大正時代の弥彦温泉をイメージさせる写真や装飾を配置し、歴史にふれ、懐かしくも新鮮な時間を過ごしてもらえるよう工夫した。
オープンに合わせて新開発のメニューを数多く用意。地元新潟の食材をふんだんに使ったパスタやハンバーグ、スイーツなどを味わえる。とくにボロネーゼやカルボナーラには、地元弥彦の製麺所と共同開発したフェットチーネを使用し、ソースには県産ブランド牛「村上牛」やツバメファーム(燕市)のブランド卵『活性卵』をぜいたくに取り入れ、こでしか味わえない特別な料理を提供する。
弥彦温泉は、越後一宮「彌彦神社」の門前町、また北国街道の宿場町として古くから栄え、弥彦詣に訪れる人たちを迎えてきた。弥彦村の観光は、1916年(大正5年)に弥彦神社の再建と越後鉄道弥彦駅の開業により再スタートを切った。
そうした歴史に思いをはせ、2006年、07年には「四季の宿みのや」内に大正浪漫を感じさせる浪漫館客室(全17室)を、2023年には露天風呂付き客室「四照花SHISYOKA」(全4室)をオープンし、弥彦村の魅力発信に努めてきた。
昨年も村内の食堂2店が店をたたんだ。そもそも観光地なのに食事をとれる場所は多くなく、カフェも少ない。何年も前から館内ににカフェの併設を検討していたが、新型ウイルスの感染拡大もあり、足踏みしていた。
一方で最近になって若い観光客が増えている。白崎代表取締役は「このカフェを通じてみのやに慣れ親しんでいただいて、いずれはやっぱり旅館の方にも泊まっていただければという思いがある」と話している。