大工道具やDIY工具を卸売する株式会社高儀(高橋竜也代表取締役社長・新潟県三条市塚野目)は、日本遺産認定ストーリー『「なんだ、コレは!」信濃川流域の火焔型土器(かえんがたどき)と雪国の文化』を通じた地域活性化に役立ててほしいと22日、三条市が加盟する信濃川火焔街道連携協議会(会長・滝沢亮三条市長)に100万円を寄付した。
高儀の5代目で元三条市長の高橋一夫さん(87)がプレゼンターとして市役所を訪問した。滝沢市長と2人で貫頭衣(かんとうい)とも呼ばれる縄文時代の服を模した衣装を着て、高橋さんから滝沢市長に100万円の目録を手渡した。
信濃川火焔街道連携協議会は、火焔型土器に代表される「縄文」をキーワードに、信濃川流域の加盟自治体が交流、連携して地域振興や広域観光を推進することを目的に2002年に発足。今は新潟市、三条市、長岡市、魚沼市、十日町市、 津南町の6自治体が加盟し、日本遺産を生かした出土品の展示会や講演会、縄文フェスなどに連携して取り組んでいる。
高橋さんは協議会顧問で國學院大學名誉教授、新潟県立博物館館長、長岡市出身の考古学者の小林達雄さん(87)と同い年で懇意にしており、2006年に市長を辞職してまもなくイギリスやフランスへ遺跡の見学に訪れている。
その小林さんから協議会の活動への協力要請もあって高橋さんは寄付をすることにした。寄付は協議会が発行している日本遺産ガイドブックの日本語版に加え、中国語版と英語版のの増刷や、小林さんを講師に迎えて講演会の開催の費用に充てる考えだ。
高橋さんは埋蔵文化財に興味をもったきっかけを話した。三条市が20年前に合併したときに市の埋蔵文化財の担当者から三条市は金物のまちでは有名だが、埋蔵文化財の世界では旧下田村は全国に知られていると聞いて埋蔵文化財にひかれた。
それから埋蔵文化財の展示や調査があると担当者に誘われれて妻と2人で出掛け、ますます興味をもつようになったと話した。
「煮炊きのできる縄文土器ができ、農耕の始まらない狩猟採集の時代に三世代が同居できるようになり、冬は時間がいっぱいあるから火焔型土器ができた」、「縄文時代は世界で日本がいちばん発展していたころではないかと思う」と高橋さんはすっかり埋文ファン。滝沢市長は「協議会で大事に使わせていただく」と感謝した。